【日本株週間展望】なお底値探る、世界減速懸念強く高ボラティリティ

2月3週(15-19日)の日本株は引き続き底値を探る展開となりそうだ。米国の景気後退局面入りが懸念されるなど、世界経済の減速リスクから投資家の不安心理が増幅の一途をたどっている。為替市場では急ピッチでドル安・円高が進み、国内主要企業の業績落ち込みも警戒される。海外株式、商品市況の動向をにらみつつ、ボラティリティの高い状況が続く可能性は高い。

  第2週の日経平均株価は週間で11%安の1万4952円61銭と続落、下落率と下げ幅はリーマン・ショック直後の2008年10月以来の大きさに膨らんだ。米独長期金利が急低下、日本の長期金利も一時マイナスとなるなどマネーは安全資産への逃避色を強めており、9日以降は大幅続落し、14年10月以来の1万5000円を割り込んだ。変動の大きさを示す日経平均ボラティリティ・インデックスは49.84と、東日本大震災のあった11年3月以来の高水準に達した。世界株式の指標であるMSCIオールカントリー・ワールド指数は昨年5月の史上最高値から20%以上下げ、弱気相場入りした。

  第3週は、内閣府が15日午前に昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)速報値を公表予定。エコノミストの予想中央値は前期比0.2%減、年率換算で0.8%減と2期ぶりにマイナス成長となりそうで、個人消費や設備投資の低迷が響いたとみられている。直近の国内企業業績も、1株利益(EPS)は切り下がりが鮮明。14年10月以来の一時1ドル=110円台まで加速した円高、株安の持続で先行き不安も強い。

  このほか海外では、16日に米国で2月のニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に1月の米鉱工業生産、18日に1月の米景気先行総合指数があり、欧州では15日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が議会証言を行う。中国では、15日に1月の貿易収支が発表される。世界のマーケットは連鎖的な波乱に陥っており、政府や中央銀行要人の発言に敏感に反応する可能性もある。

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≪市場関係者の見方≫
●しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長
  昨年夏の急落時と違うのは国内企業のEPSが随分と下方修正されてしまった。当時は業績が強く割安感があったが、今回は極端に割安とはいかない。日経平均のPER13倍台は安いことは安いが、来期業績を減益でみてしまうとすぐリバウンドする感じでもない。以前は株価の下落が行き過ぎ、実態がその上にあったが、今回は為替の動きと連動し、株価に実態がついてきている。ただ、値幅的には良いところまで下落し、きっかけがあればリバウンドしてもおかしくない。

●野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト
  局面は変わった。単なるリスクオフではなくなり、米国のリセッションを織り込むくらいのところまできている。来月初め、場合によると中旬の連邦公開市場委員会(FOMC)まで米国景気を見極める動きが強まるのではないか。ドル・円の動きが中心のため、相場の主導役は為替に移った。ただし、日本企業のマージンである売上高利益率はトレンドとして上がっている。それが1ドル=110円でひっくり返るかというとそうではなく、やはり米国の景気次第だ。

●損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの上野賢司シニア・インベストメントマネジャー
  株価水準の面では、もう落ち着いても良いのではないか。PBR1倍という話が出てきており、それが一つの支え。さまざまな悪材料が増え、複合的な理由で売られているが、何かショック的な出来事が起きたわけではない。ただし、下げ局面になる前の水準に戻るのは時間がかかるだろう。状況は多少悪化していて、ここまで下げるほどではなかったと落ち着いた判断になるのにも時間必要だ。
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