マイナス金利導入の中銀に市場の審判-銀行業績懸念が混乱煽る

  • 成長低迷という病の万能薬になるとの思惑は外れる
  • 今年に入ってから世界の株式時価総額から8兆ドル近く失われる

成長回復のためのマイナス金利は、導入した時点では良いアイデアのように思われた。

  しかしマイナス金利を採用する金融政策当局がスウェーデンなどから日本にまで広がったことを受け、投資家はパニック寸前に陥った。今年に入って世界の金融市場は好転するどころか、株式市場が弱気相場入りするなど混乱を招き、企業のデフォルト(債務不履行)に備える社債保証コストは急上昇。投資家は米国債や金などの安全資産へと向かった。

  こうした混乱を煽(あお)ったのが、マイナス金利により世界の大手銀行が打撃を受けるのではないかとの懸念だった。理論上ではマイナス金利は世界的な成長低迷という病の万能薬になり得る。市中銀行が中央銀行に預け入れる資金に手数料を課せば、各行は手元資金を融資に向けるようになり、経済を活性化させるはずだった。しかしふたを開けてみると、マイナス金利が銀行の業績圧迫や金融市場の混乱につながるのではないかとの懸念が投資家の間に広がった。

  MSCIオールカントリー世界指数は昨年5月の高値からの下げ幅が20%を超えて弱気相場入りした。今年に入ってから世界の株式時価総額から8兆ドル(約900兆円)近くが失われた。
  

  モルガン・スタンレーの世界為替戦略責任者、ハンス・レデカー氏(ロンドン在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「現在の環境の下、中銀は一つの教訓を学ぶ必要がある。すなわち、マイナス金利は望ましいものでも有効なものでもないということだ」と発言。「マイナス金利が導入された場合、銀行セクターの採算性を考える必要がある」と指摘した。

  世界では今や7兆ドル余り相当の国債の利回りがゼロを下回っており、世界経済の約4分の1で金利がマイナスとなっている。11日にはスウェーデン中銀がレポ金利をマイナス0.35%からマイナス0.50%に引き下げ、マイナス幅を拡大させた。

原題:Racked Markets Hand Verdict to Central Banks on Sub-Zero Rates(抜粋)

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