来週の債券市場では長期金利が上昇すると予想されている。最近の株安・円高に対して、政府や日本銀行が政策対応に動くとの観測から、債券売りが出やすいとの見方が背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは9日に初めてマイナス圏に突入し、一時マイナス0.035%まで低下した。日銀が当座預金の一部に今月16日からマイナス金利を適用することを決めたことをきっかけに金利水準が押し下げられる中、世界的な株安や円高進行などの買い材料が重なった。しかし、週末には反動などで一時0.08%と約1週間ぶりの水準まで上昇した。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、債券相場について、「来週にかけて、政府や日銀のアクションに対する不透明化があるほか、16日からのマイナス金利導入もあり、水準観を探り、ボラティリティが高い状況が続くとみられる」と話した。「10年金利は0.05%から0.10%のレンジのどこかで落ち着きどころを探るのではないか」とみている。

  この日の株式相場は大幅続落し、日経平均株価は1万5000円を割り込んで引けた。外国為替市場では前日の海外市場で、円が一時110円台と2014年10月末以来のドル高・円安水準を付けた。日銀の黒田東彦総裁は12日昼、急速な円高や株安が進んでいることについて、「引き続き為替市場の動向を緊張感を持って注視していくと同時に、必要に応じて適切に対応していく」と発言した。ただ、、為替介入の可能性については「コメントしない」と述べた。

20年債入札と5年債入札

  財務省は16日午前、20年利付国債の価格競争入札を実施する。前回入札された155回債のリオープン発行となり、表面利率は1.0%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回債と同額の1兆2000億円程度となる。

  18日には5年債入札が予定されている。表面利率は0.1%に据え置かれる見通し。発行予定額は前回債と同額の2兆5000億円程度となる。

市場関係者の見方
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◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
* 当局の政策対応が意識され弱い展開か。リスクオフモードがどうなるか次第
* マイナス利回りとなっている5年債入札は、マイナス金利政策の拡大期待がはく落すれば、結果が悪くなる可能性がある
* 長期金利の予想レンジは0.00%~0.15%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
* 10年金利は安全資産需要や日銀の追加緩和期待で買われ過ぎたため、調整入るのは自然
* 来週は20年債や5年債の入札もあり相場の上値は重そう。ただ、日銀買い入れ継続や3月の国債大量償還を考えると、このまま金利が上がっていくということでもない
* 長期金利の予想レンジは0.00%-0.10%

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト
* 日銀のマイナス金利導入により、中短期ゾーンを中心に金利は低位に抑えられる
* 金融機関収益への影響を考えれば、ハイペースで利下げを実施することのハードルは高い。追いかけて円債を購入することは避けたい
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.10-プラス0.10%
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