11日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで上昇。一時は2014年10月以来の高値を付けた。日本銀行のほぼ3年にわたる金融緩和の効果を弱める恐れがある円高を抑制するため、財務省・日銀が介入を実施するとの観測が強まっている。

  円は主要16通貨全てに対して上昇。世界的な株安や原油相場下落を受けて、安全な逃避先としての円の需要が高まった。円はニューヨーク時間午前7時20分ごろ、急速に下げ渋る場面もあった。SGHマクロ・アドバイザーズのサッサン・ガラマニ最高経営責任者(CEO)はリポートで、日銀が一部の銀行にドルの対円水準について「レートチェック」を行ったと指摘した。

  世界中の金融当局が過去に例がない緩和政策を実施する中、景気刺激効果を輸出競争力の強化やインフレ押し上げにつなげる手段として通貨の重要性が増している。円は14年10月の金融緩和拡大以前の水準に近づきつつあり、通貨当局が円高抑制に乗り出すのではないかとの臆測が広がっている。日本の為替介入は2011年以来、実施されていない。

  スタンダード・ライフ・インベストメンツの為替担当ディレクタ ー、ケン・ディクソン氏は「散発的あるいは小口の介入の可能性はある」と指摘。「特定の水準を防衛することは世界の他の当局から認められないだろうが、ボラティリティの抑制なら認められる可能性はある」と述べた。同氏はさらに、円はリスク回避の動きの恩恵を受け、短期的に上昇するとの見通しを示した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.8%高の1ドル=112円42銭。一時は110円99銭と、日銀が緩和策を拡大した14年10月31日以来の高値を付けた。11日の日本市場は祝日で休場だった。

  ブルームバーグがカバーする世界150カ国余りの全ての通貨に対し、円は年初来で上昇している。世界景気の減速や社債をめぐる信用不安に対する懸念が背景にある。

  SGHのガラマニ氏はレートチェックについて、介入の可能性の「強い警告」を意図することもあると指摘した。

  浅川雅嗣財務官は11日、ブルームバーグの取材に対して、投機的な動きがあるかどうか市場を注視していると語った。麻生太郎財務相は9日に同様の姿勢を示していた。スイス国立銀行(中央銀行)のヨルダン総裁はビランツ誌とのインタビューで、「外国為替市場に介入する用意がある」と述べた。スイス・フランは3カ月ぶり高値を付けた。

  ドル・円の1週間物インプライドボラティリティ(IV、予想変動率)は2年半ぶりの高水準となる21.9%まで上昇。今後数日に値動きが大きくなるとの見通しを示唆した。1カ月物と3カ月物はともに2013年7月以来の高水準。

  HSBCホールディングスは今週、円売り介入か利下げのリスクが高まっていると指摘。モルガン・スタンレーは行き過ぎた為替の動きに対して投資家に警告するのを当局は自制しているとの見方を示した。

  USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査責任者、ジェニファー・ヴェイル氏は「当局は近いうちに何かせざるを得なくなるだろう。しかし、日銀に為替市場での直接的な介入を促すほど相場が動いていると、現時点では確信を持って言えない」と語った。

原題:Yen Surges to 15-Month High as Intervention Speculation Deepens(抜粋)

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