原油下落の最悪期は終わっていないとの見方が影落とす-ロンドン会議

  • ビトル:供給過剰の中、石油在庫は引き続き増加すると予想
  • ゴールドマン:原油価格は「10ドル台に」下落の可能性も

世界の石油業界関係者が「IPウイーク(国際石油週間)」に参加するためロンドンに集結する中、一つのメッセージが明確になりつつある。それは、原油価格下落の最悪期は終わっていないというメッセージだ。

  原油価格は1月に12年ぶりの安値を付けた後、1バレル=30ドル近辺で推移しているが、生産が減少するまでには予想より長い期間を要し、過去最高水準に達している在庫は引き続き増加すると、会議に出席したバンカーやトレーダー、企業幹部はみている。価格が上昇する兆しはほとんどなく、さらに下落するリスクがかなり高まっている。

  米ゴールドマン・サックス・グループの商品調査責任者、ジェフ・カリー氏はロンドンでのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「価格が10ドル台に下落しても驚かないだろう」と指摘。「過去のサイクルと比較した場合、この市場の最も顕著な特徴は供給面の反応が不足していることだ」とし、現在の供給過剰は1998年と99年の石油業界低迷時よりも一段と極端である可能性が高いとの見方を示した。

  会議やパーティーが開かれるIPウイークには、世界の石油業界から生産会社や精製会社の関係者、トレーダー、バンカーら1000人余りが参加。石油輸出国機構(OPEC)が市場シェア確保に向け生産水準維持を決定したことをきっかけに、原油価格下落が始まってから1年余りを経て、石油業界の大部分ではパーティーを楽しむ理由はほとんど見当たらない。価格は依然として2014年のピークを70%下回っており、石油関連企業の利益は減少し、各社は配当引き下げ大幅な人員削減を余儀なくされている。

  独立系石油取引会社最大手ビトル・グループの執行委員会メンバーであるクリストファー・ベーク氏は、既に過去最高水準にある世界の石油在庫は引き続き増加すると予想。原油と石油製品約3億6000万バレル(日量約200万バレル)が向こう半年間に貯蔵に回されるとみている。この量はアフリカ最大の産油国ナイジェリアの生産量に相当する。

  ロンドンでは、競合する産油国を圧迫するため原油価格下落を容認する戦略を立てたサウジアラビアやクウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールが戦略を変更するほどの財政的圧力を感じている兆候はほとんど見られなかった。

原題:Warnings of Worse to Come Overshadow Oil’s Big Week in London(抜粋)

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