ソフトバンク:10-12月期営業益、前年比増-米子会社に反転の兆し

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  • 業績改善し始めても市場が認めるには時間かかる-孫社長
  • 経費削減が中心でサプライズはない-アナリスト

日米両国に通信会社を抱えるソフトバンクグループが10日に発表した2015年10-12月期の連結営業利益は1896億円となり、前年同期を上回った。米通信事業を含め業績が改善し始めているという。

  10-12月期の営業利益は前年同期(1767億円)比7.3%増となった。純利益は23億円(同187億円)、売上高は2兆3864億円(同2兆2872億円)だった。通期の業績予想は公表していない。

  積極的な買収策で会社を拡大してきたソフトバンクの孫正義社長だが、株価は14年初頭に9000円を超えたのを最後に伸び悩み、今年に入り米子会社スプリント買収前を下回る5000円を切る水準まで売られる場面もあった。スプリント立て直しの具体的成果が見えにくいことが主因で、ソフトバンクの時価総額は保有する株式価値を下回る状態が続いている。

  孫社長は10日の記者会見で「スプリントに反転の兆しが明確に見えてきた」と述べた。株価の低迷については、業績改善を市場が認識するには時間がかかると説明。また国内通信についてもコスト削減も含めて順調に推移していると述べた。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストはスプリントの業績について、「着実に改善しているが、経費削減が中心でサプライズはない」と指摘。株価反転へ市場は主要な経営指標で「目を見張る数字を欲しがっている」と述べた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の田中秀明シニアアナリストは決算発表後のリポートで「国内通信はコスト削減が奏功したと推定」するとした。株価への影響については「堅調な決算だがサプライズはなく、ニュートラル」との見方を示した。

改善の手応え

  スプリントの15年10-12月期決算では赤字幅がアナリスト予想よりも小幅だったことに加え、16年度のEBITDA(利払い・税金・ 減価償却・償却控除前利益)を従来予想から上方修正した。

  孫社長は会見で「去年の今ごろはスプリントは長くて苦しい戦いになると言っていたが、改善の手応えを感じ始めた」と述べた。その上で、スプリントはソフトバンクの稼ぎ頭の一つになるくらい伸びしろが大きいとした。

  これに対し、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2日、携帯電話事業者の厳しい競争と成長鈍化を理由にスプリントの信用格付けを1段階引き下げ「B」とした。加入者の増加などでは前進が見られるとして、スプリントのアウトルック(格付け見通し)を「ステーブル(安定的)」とする一方、「米携帯電話サービス業界の厳しい競争と市場の成熟化」に同社が直面していると指摘した。

  孫社長は合併・買収(M&A)について、小規模の案件はあるが、今はスプリントの業績改善に労力を割いていると話した。

(第5、6段落にアナリストコメント、第8段落に社長発言を追加.)
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