日本株1年3カ月ぶり安値、欧州金融や円高、原油警戒し全業種下げる

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10日の東京株式相場は大幅続落、TOPIXと日経平均株価は約1年3カ月ぶりの安値を付けた。金融株安が続く欧州市場、原油市況の続落など海外要因に警戒感が強い上、為替が再度円高方向に振れ、リスク資産回避の売りが広がった。銀行株が下落率トップ、電力や陸運、情報・通信株など内需セクター、非鉄金属株など素材セクター中心に東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前日比39.37ポイント(3%)安の1264.96、日経平均株価は372円5銭(2.3%)安の1万5713円39銭。両指数とも1月21日に付けた直近安値を下抜け、TOPIXは2014年10月28日、日経平均は同30日以来の安値水準。連日の激しい下落で、日経平均ボラティリティ・インデックスは44.15と昨年8月25日の直近最高値47.01に迫った。

  大和住銀投信投資顧問の岩間星二シニア・ファンドマネジャーは、「1株利益(EPS)の切り下げをはるかに上回る下げで売られ過ぎだ」と指摘。さまざまな要素が「複雑に絡み合っていて、米国の景気不安と利上げ後の世界に懸念がある。これは両立しないが、利上げ見送りムードになるのではないかという見方でドル安、円高になっている」と話した。

  9日の欧州株は、ストックス欧州600指数が7営業日続落し、銀行株指数は12年以来の安値となった。ギリシャのユーロバンク・エルガシアスは1割強急落、クレディ・スイス・グループも8%安など欧州金融機関の体力を警戒する動きが広がっている。9日の取引で小安かった米国株は、シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500種株価指数先物が基準価格に対しマイナスで推移し、先安警戒感があった。

  また、9日のニューヨーク原油先物は5.9%安の1バレル=27.94ドルと大幅続落し、銅市況も1カ月ぶりの大幅安。きょうのドル・円相場は一時1ドル=114円20銭台と、朝方の115円20銭台からは円高方向に振れた。三井住友トラスト・アセットマネジメントの三沢淳一チーフファンドマネジャーは、「中国景気や原油価格の下落という懸念材料が足下では先進国の景気、欧州銀行の信用リスク的な懸念に広がってきている」とし、漠然とした不透明感から「リスクオフ姿勢がなかなか拭い切れない」と言う。

  きょうの日本株は、前日に日経平均が2年8カ月ぶりの下落率を記録した反動から小幅に反発して始まったが、マイナス圏に沈んだ後は先物主導で下げ幅を拡大、午後の取引で日経平均は一時655円安、14年10月29日以来の1万5500円を割り込んだ。需給面では、急落後とあって信用買い方の追加証拠金(追い証)発生に伴う処分売りが指摘され、東京市場はあす11日が祝日休場、12日はオプション2月限の特別清算値(SQ)算出も控え、買いが入りにくい事情もあった。前日に東証が発表した5日申し込み時点の信用買い残は4週ぶりに増加。

  三木証券投資情報部の北澤淳課長代理は、「昨年8月の信用取引の期日が今週と来週ピークを迎える。日経平均レバレッジETFなど個人に人気だったものの信用期日が到来している上、株価下落で追い証もかなり出ている」とみていた。

  東証1部33業種は銀行、その他金融、電気・ガス、ガラス・土石製品、非鉄、陸運、空運、倉庫・運輸、通信が下落率上位。空運は、日本航空が9日、4-5月発券分から国際線の燃油サーチャージを不要にすると発表した。東証1部の売買高は38億4903万株、売買代金は3兆5368億円。上昇銘柄数は131、下落は1780。

  売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3社が連日で52週安値を更新。KDDIやNTT、JT、日本電産、野村ホールディングス、NTTドコモ、武田薬品工業も安く、16年12月期は減収減益を計画したシマノ、今期営業利益計画を減額したバンダイナムコホールディングスは急落した。半面、自社株買いを行うファナックは堅調、SMCや資生堂は高い。

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