2月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が続伸、114円台-信用不安からボラティリティ上昇

9日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで続伸。約1年ぶ りに1ドル=115円を突破した。銀行や一般企業の信用力をめぐる懸念 から安全な逃避先とみられる資産が恩恵を受けた。

日本が経常黒字国であることから値動きが荒い局面では円は逃避先 になる傾向があり、この日は主要16通貨の大半に対して上昇した。日本 の10年債相場は上昇し、利回りは初めてマイナスになった。米連邦準備 制度理事会(FRB)のイエレン議長の半期に1度の議会証言を10日に 控え、ドルは続落した。

借り手の債務返済能力に対する不安が高まり、企業の社債保証コス トが上昇。ドイツ銀行は債務返済に対する懸念が浮上した。世界の通貨 変動の指標は2013年6月以来の高水準となった。当時は量的緩和の縮小 計画に反応した、いわゆる「テーパー・タントラム」が起こっていた。 米金融当局が昨年12月にほぼ10年ぶりに利上げを実施したが、金利先物 市場では今年の追加利上げ観測は後退している。

スタンダードチャータードの為替ストラテジスト、アイメア・デー リー氏(ロンドン在勤)は「ニュースを材料に市場ではリスク回避の動 きが急速に高まっており、このようなことが金融市場での高いボラティ リティにつながり得る神経質な状況下にある。円が上昇するという通常 の反応が見られる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.6%上昇し て1ドル=115円11銭。一時は114円21銭と、2014年11月以来の円高水準 を付けた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ド ル・スポット指数は0.5%低下の1220.94と、2カ月ぶり低水準近くとな った。

世界経済の減速に伴い、デフォルト(債務不履行)が増えるとの懸 念が強まる中、あらゆる資産でボラティリティが増幅した。JPモルガ ン・チェースの世界の通貨変動指数は11.9%と、約2年ぶりの高水準。 株式や債券市場のボラティリティを示す指標も上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのアナリストはリ ポートで、欧州信用市場ではシステミックリスクが高まっていると指摘 した。ドイツ銀行の株式と債券は資金繰りへの懸念から下落。ジョン・ クライアン共同最高経営責任者(CEO)が同行は「盤石だ」と行員に 伝えるに至った。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の通貨スト ラテジスト、ニール・メラー氏は「円は安全な逃避先としての役割を果 たしている」と指摘。年初からの「騒々しい」滑り出しを受け、米金融 当局に行動を起こす用意が整っているかどうか疑問が高まっていると し、最悪の場合は当局が引き締め政策を断念すると市場は考えていると 述べた。「その場合、円が恩恵を受ける」と続けた。

原題:Yen Climbs Past 115 Per Dollar as Default Risk Stokes Volatility(抜粋)

◎米国株:下落、ナスダック総合指数は弱気相場入り目前に

9日の米国株は下落。S&P500種株価指数は2014年4月以来の低 水準付近で推移している。ナスダック総合指数は弱気相場入りが目前 だ。この日はエネルギー株やテクノロジー株が特に売られた。

ナスダックは3日間の下げが昨年8月以来で最大となり、同指数は 一時、弱気相場入り1%以内に迫った。テクノロジー株や消費者関連、 ヘルスケア関連、鉱工業銘柄は終日もみ合いが続いた。素材株は上昇。 ドル下落が影響した。エネルギー株は原油安が嫌気され、売られた。

S&P500種株価指数は0.1%安の1852.21。ナスダック総合指数 は0.4%安。ダウ工業株30種平均は12.67ドル安の16014.38ドル。

パイオニア・インベストメント・マネジメントのファンドマネジャ ー、ジョン・キャリー氏(ボストン在勤)は「弱気派と強気派の間でも み合っている」と述べ、「一部の投資家は一時的な下げであり、市場は 若干先走りしている可能性があるとみている。つまり、景気に大きな問 題はなく、今は買いの好機だと受け止めている。その一方で、別の市場 参加者は数カ月間先の景気の落ち込みが示唆されていると考えている」 と続けた。

最近の株安では銀行株やテクノロジー株の売りが目立っている。こ の日のナスダック総合指数は昨年7月の最高値から約18%下落し弱気相 場に迫った後、一時上げに転じた場面もあった。

世界的に株価が弱気相場に迫っている中で、シカゴ・オプション取 引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は2.1%上昇 の26.54。一時は9%上昇し、5カ月ぶり高水準をつけた。VIXは過 去3日間で20%上昇した。

S&P500種産業別10指数のうちエネルギー株や通信株、テクノロ ジー株が売られた。一方、素材株やヘルスケア関連株は値上がりした。

テクノロジー銘柄ではIBMやオラクルが大幅下落。フェイスブッ クやグーグル親会社のアルファベットはほぼ変わらずだった。

S&P500種銀行株価指数は昨年7月のピークから25%超下落 し、2013年10月以来の低水準となっている。同指数を構成する17銘柄の うち9銘柄は年初から20%以上値下がりしている。

原題:U.S. Stocks Slip, Nasdaq Composite Edges Closer to Bear Market(抜粋)

◎米国債:年初来の成績は88年以降で最も好調-世界的な国債買いで

米国債は1988年以降で最も好調な年初の滑り出しとなっている。逃 避需要を背景に世界的に国債が買われ、日本国債は10年債利回りが史上 初めてマイナスとなった。

欧州や日本での株下落を引き継ぐ形で米国株も下げる中、米10年債 利回りは1年ぶり低水準を付け、短期の独国債利回りは過去最低となっ た。この日実施された米3年債入札(発行額240億ドル)では最高落札 利回りがほぼ2年ぶりの低水準となり、そうした中で米国債のボラティ リティは昨年9月以来の高水準に達した。

世界的に見て現在、計7兆ドル相当の国債で利回りがマイナスとな っている。先物トレーダーが織り込む年内の米利上げ確率は27%に低下 している。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は10日に下 院、11日に上院の委員会で証言を行う。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏は「世界的なリスク回避の動きは、銀行はじめエネル ギー価格や株式市場をめぐる不安が背景にある。またこの動きは米国債 利回りの押し下げ要因の一部でもある」とし、他の要因は「米国のイン フレと経済成長が鈍化するとの純粋な予想だ。よってイエレン議長の議 会証言は今週の市場にとって極めて大きな意味を持つ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.73%。一時1.68%と、15年2月以来の低水準を付 けた。同年債(表面利率2.25%、2025年11月償還)価格は104 22/32。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 米国債の年初来リターンは約3.4%と、同期間のリターンとしては1988 年以降で最高。

3年債入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率が09年以来の 低水準となった。最高落札利回りは0.844%で、14年3月以降で最低。 今週はこの3年債を含め合計620億ドル規模の国債入札が実施される。

日本の10年債利回りは一時マイナス0.035%と、主要7カ国(G 7)の10年債としては前例のない水準に下げた。日本国債市場のボラテ ィリティは13年7月以来の水準に高まった。

三菱UFJ国際投信の下村英生チーフファンドマネジャーは、ほと んどパニック状態だとし、質への逃避の動きが増幅されていると分析し た。

インフレ期待を示す債券市場の指標である10年物ブレークイーブン レートは一時1.17%に下げ、09年3月以降で最低となった。10年物ブレ ークイーブンレートは通常の米10年債と同年限のインフレ連動債 (TIPS)との利回り格差。昨年末の時点では1.58%だった。

原題:Treasuries Off to Best Start to Year Since ’88 Amid Global Rally(抜粋)

◎NY金:2011年以降で最長の連続上昇、株式市場の混乱やドル下落で

9日のニューヨーク金相場は上昇。金スポットは過去4年余りで最 長の連続高となっている。株式市場の混乱やドルの下落を背景に、代替 資産としての金の買いが活発になった。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア・マーケット・ストラテ ジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は電話インタビューで、「今は安全へ の逃避の大規模な動きがあり、金に資金が流入している」と指摘。「ド ルも関係しているが、世界株式市場を起因とした不安によるところが大 きい。金を除いて、今は明るい場所はあまりない」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時50分現在、金スポット相場は前日 比0.2%高の1オンス=1191.43ドル。2011年7月以降で最長の8営業日 続伸となっている。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日 比0.1%上げて1198.60ドルで終了。5営業日続伸となった。

原題:Gold Rallies in Longest Run Since 2011 as Equities, Dollar Slip(抜粋)

◎NY原油:大幅続落、供給超過を意識-価格変動性が急拡大

9日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅続落。ロンドンの北海ブレントは 5カ月ぶりの大幅下落となった。シカゴ・オプション取引所 (CBOE)原油ボラティリティ指数は7年ぶりの高水準。ゴールドマ ン・サックス・グループは価格変動がさらに激しくなるとの見方を示し た。国際エネルギー機関(IEA)は今年上期の供給超過分の見通しを 引き上げた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は 「IEAの月報で市場の関心は世界的な供給超過へと戻った」と指摘。 「需給が近くバランスを取り戻すかもしれないとの希望は打ち砕かれ た」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日 比1.75ドル(5.89%)安い1バレル=27.94ドルで終了。終値ベースで 1月20日以来の安値。ロンドンICEのブレント4月限は2.56ドル下げ て30.32ドル。

原題:Brent Oil Falls Most in 5 Months on Glut as Volatility Surges(抜粋)

◎欧州株:ストックス600指数、2013年以来の安値-銀行株に売り

9日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が7営業日 続落。銀行株指数は2012年以来の安値まで沈んだ。世界的な株安が収ま る兆しは見られない。

ギリシャのユーロバンク・エルガシアスが12%急落するなど、銀行 株が総じて値下がり。下降局面を十分に乗り切る体力が銀行にあるのか 懸念が強まり、銀行債を保証するコストが上昇した。クレディ・スイ ス・グループは8.4%安。スイス国立銀行(中央銀行)のヨルダン総裁 が中銀預金金利について、マイナス0.75%の「現水準よりも下がる」可 能性はあるとベルンで述べたことが嫌気された。ドイツ銀行は一時の上 げを消し4.3%安と、1992年以来の安値で引けた。利払いのための十分 な資金があると表明したものの、株価下落の流れを変えられなかった。

ストックス600指数は前日比1.6%安の309.39で終了。これは2013 年10月以来の安値で、いわゆる「売られ過ぎ」の水準となった。この日 の出来高は30日平均を52%上回る水準。ギリシャのアテネ総合指数は少 なくとも1989年以来の安値まで沈んだ。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「ボラティリティが極めて高くなっている」とし、「投資家ら は手持ち資金を増やし、買う機会が到来しないか注意深く見守る必要が ある。テクニカル的に相場が上昇しても再び下げに容易に転じる可能性 があり、すぐに落ち着く状況ではなさそうだ」と語った。

コメルツ銀行は4.4%下げ、2013年7月以来の安値を付けた。スウ ェーデンのスウェドバンクは5.7%値下がり。ミケル・ウルフ最高経営 責任者(CEO)が退任した。一方、スベンスカ・ハンデルスバンケン は1.6%上昇。第4四半期が35%増益となったことが買い材料。

業種別19指数の中では、資源銘柄が最もきつい値下がり。ゴールド マン・サックス・グループが最近の株価上昇は正当化できないと指摘し た。アルセロール・ミタルは11%の大幅安。アングロ・アメリカン も11%急落した。

原題:European Stocks Retreat to Lowest Since 2013 as Banks Tumble(抜粋) SNB Hasn’t Yet Reached Rock Bottom on Deposit Rate, Jordan Says (抜粋)

◎欧州債:イタリア債が下落、独債とのスプレッド拡大-リスク回避で

9日の欧州債市場ではイタリアとスペインの10年物国債が下落し、 ドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)が拡大して昨年7月 以来の大きさとなった。リスクが比較的高い資産が世界的に売りを浴び ている。

イタリア10年債利回りは昨年11月以来の高水準まで上昇。ポルトガ ルの10年債利回りは2014年10月以来の水準に達した。一方、ユーロ圏で 最も安全とされるドイツ国債を求める動きから、同国の10年物利回りは 一時、昨年4月以来の0.2%割れとなった。

DZバンクの債券ストラテジスト、ヘンドリク・ロッデ氏は電子メ ールで配布したリポートで、「ユーロ圏周辺国の銀行セクターに関する リスクプレミアムと歩調を合わせて、国債スプレッドも急拡大した」と し、「現在のリスク回避の動きが比較的安全な資産の需要を主に支えて いる」と語った。

ロンドン時間午後4時16分現在、イタリア10年債利回りは前日比2 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.70%。一時 は1.77%と、昨年11月以来の高水準を付けた。 前日までの3営業日 で24bp上げていた。同国債(表面利率2%、2025年12月償還)価格は この日、0.21下げ102.755。

ドイツ10年債利回りは2bp上昇し0.24%。4月29日以来の低さと なる0.19%まで下げる場面もあった。イタリア国債のスプレッドは一 時156bpまで広がった。スペイン10年債利回りも2bp上げ て1.78%。ドイツ国債に対するスプレッドは一時163bpに拡大した。

ポルトガル10年債利回りは33bp上げ3.71%。一時は3.73%まで上 げ、ドイツ債に対するスプレッドは350bpまで拡大。これは2014年1 月以降では最大。

原題:Italy Bond Selloff Pushes Yield to 3-Month High Amid Equity Rout(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE