【インサイト】銀行債めぐる騒動、投資家がリスク思い出しただけ

大手銀行は安全な避難先だった。銀行は過去7年間にドル建て債の発行残高を2倍以上に増やした。その中には資本準備が縮小した時に損失を吸収するバッファーになる証券も多く含まれる。

  投資家は銀行に金を貸すことに前向きだったようだ。銀行はより安全になりつつあったし、中央銀行の金融緩和を受けて誰もが社債を買いたがった。

  ところが風向きが変わった。低位の金融債は今年、2009年以来で最悪のスタートを切った。いわゆる偶発転換資本証券は今年に入って5%以上値下がり。世界の成長鈍化と中国企業や資源会社への融資焦げ付きのリスクの中で信用懸念が強まった。

  では2008年のような金融危機が始まりつつあるのだろうか。その可能性は低い。むしろ、最近の不安定は中央銀行が市場をコントロールする力が弱まり銀行が以前に考えられていたよりも脆弱(ぜいじゃく)な時代がやってきたことを示すものだろう。投資家は金融緩和時代に忘れていたリスクを突然思い出して心配し始めただけだ。

原題:The Tumult of Bank Debt: Rough Sailing Lies Ahead: Gadfly(抜粋)

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