野村HD:自社株買いの可能性高まる、3年ぶり株安で-永井CEO

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野村ホールディングスが株主還元策の一環として自社株買いを検討しており、株価が過去3年間の安値を記録したことから、実施の可能性が高まってきたことが分かった。

  野村HDの永井浩二最高経営責任者(CEO)は9日、ブルームバーグの取材に応じ、配当や自社株買いなどについて総合的に「きちっと考えている」と述べた。その上で自社株買いについては、下落が続く直近の株価動向を踏まえ、「どうせやるのなら、安いときにやった方がいいだろう。それは間違いない」と語った。

  野村HDの株価は、2日に発表した昨年10-12月期の純利益が前年同期で半減、市場予想も下回ったことなどから今月に入り約24%下落。2009年に海外拡充のため5000億円規模の資金を調達した際の公募価格も下回った。世界的に市場混乱が広がる中、同社は海外事業黒字化のため一層のコスト削減に着手する。

  永井CEO(57)は自社株買いの時期や規模など詳細については、何も決まっていないとして言及を控えた。2日の決算会見で柏木茂介財務統括責任者(CFO)は自社買いについて、タイミングが合えば「否定しない」と述べるにとどめていた。

  野村HD株は10日、前日比で18.1円(3.6%)下落し491.9円で取引を終えた。1月下旬に自己株取得を発表した大和証Gの2月下落率は約14%となっている。同日の東京株式相場は大幅続落となり、TOPIXと日経平均株価はともに約1年3カ月ぶりの安値を付けた。

海外黒字化「環境落ち着けばベンチマーク」

  野村の10-12月期の海外事業は、米州123億円、欧州57億円、アジア・オセアニア20億円と全地域で損失を計上し、合計赤字額は199億円(前年同期は70億円の赤字)に拡大した。今期500億円を掲げていた海外での税前利益目標の達成時期は、2020年の3月期までのいずれかの時点まで先送りとなった。

  永井CEOは海外の黒字化の時期について、「この暴風雨の中で今そのような議論をしても仕方がない。残念ながら」と述べた。「平常時に議論すべきことで、この環境下では慎重に状況を見るしかない」と語り、環境が落ち着けば何らかのベンチマークを示していきたい考えを示した。

コストカット、「手を緩めずに」

  世界経済への先行き懸念などから国際金融市場では混乱が続いている。永井CEOはこうした状況が同社の海外のフィクストインカムを含むホールセールや、国内のリテール業務に影響を与えているとの見方を示した。その上で、海外事業の黒字化に向け今後、事業の縮小や人員削減などを「手を緩めずに」実施すると述べた。

  具体的な削減対象については、言及すれば混乱を来すとしてコメントを避けた上で、「フロント、ミドル、バックで、稼いでいるところとサポートするところをバランスを見ながらコストコントロールしていく。稼いでいるところは予算を付けるか削らず、サポートする部隊で見直しの余地のあるところは見直す」と述べた。

  永井CEOはまた、今後北米事業で株式や債券の引き受け、企業の合併・買収(M&A)のオリジネーション能力を強化するため、一層投資していく考えを示したが、具体的な金額などについては言及を避けた。

  また買収や提携については、「あらゆる可能性を常に検討しているが具体的なものは何もない」としたものの、外国金融機関やメガバンクとの協業を検討していることを明らかにした。

英文記事: Nomura CEO Sees Buyback Chance After Shares Hit 3-Year Low (1)

(第5段落を終値に更新しました.)
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