コスモHD:今期末の純資産2200億円後半に-制限条項の抵触を回避へ

  • 1-3月期に700億円の純資産積み増しへ-丸善石化の子会社化など
  • 今期の純利益は270億円の赤字へ-従来予想210億円の黒字

コスモエネルギーホールディングスの滝健一常務執行役員は9日の決算会見で、毎期末の純資産を1989億円以上に維持するという一部融資契約に付与された財務制限条項について、今期(2016年3月期)末は達成できる見通しだと話した。

  コスモエネルギーHDが同日発表した15年4-12月期の決算短信によると、15年12月末の純資産は財務制限条項で求められている水準を下回る1578億円。滝氏によると同社は3月末までに、44%を保有する持ち分法適用会社の丸善石油化学株を買い増して連結子会社化することにより、連結純資産は約500億円増える見通し。さらに、丸善石化株取得による負ののれん代が約60ー70億円、製油所土地譲渡による税負担減約160億円などで、1-3月期に200億円を超える純利益も見込めるという。

  四半期報告書によると、17年11月末までに返済期限を迎える297億円の借入金に対しては、債権の回収可能性を維持するために、各年度末の純資産額を1989億円以上に維持することが財務制限条項で求められている。これを満たせなかった場合、コスモエネルギーHDは早期の返済を迫られる可能性がある。

  同社は、主力の千葉製油所が東日本大震災後の火災による長期稼働停止で収益が悪化した13年3月期に一度、財務制限条項に抵触している。その後、製油所の稼働見通しが立ったことで金融機関から適用の免除を受けた。

  さらに同社は、今期の純損益予想を従来の210億円の黒字から270億円の赤字に下方修正したことも発表した。ブルームバーグが集計したアナリスト4人の平均値は12億円の赤字。これを大幅に上回り、2年連続の赤字見通しとなった。従来は今期に45億円の在庫評価益を見込んでいたものの、原油価格の下落で570億円の在庫評価損が発生することが影響する。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE