日経平均900円超安、安全求め2年超ぶり下落率-円高加速、欧銀懸念

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9日の東京株式相場は大幅反落、900円以上下げた日経平均株価は約2年8カ月ぶりの下落率を記録した。景気の先行き懸念から世界的に安全資産への逃避が強まり、東証1部33業種は銀行や証券など金融株、輸送用機器や精密機器など輸出株中心に全業種が安い。為替は2014年11月以来の水準まで円高が加速、欧州一部銀行の経営に対する不安も浮上した。

  TOPIXの終値は前日比76.08ポイント(5.5%)安の1304.33、日経平均株価は918円86銭(5.4%)安の1万6085円44銭。TOPIXの下落率は昨年8月24日以来、日経平均の下落率は2013年6月13日(6.4%)以来の大きさだった。

  ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「株も為替も通常動くところのバンドから外れたところに調整がきている」と指摘。多種多様な悪材料の浮上で、「手を出しにくい。割安感のある水準だが、リスク要因を考えると、リスク資産に対する投資意欲は削がれる環境」と話した。

  8日の欧州株は軒並み3ー4%下げ、ギリシャ株は1990年以来の安値を付けた。債券市場ではポルトガルなど南欧債が急落した半面、ドイツ国債は急伸し、10年債利回りは一時昨年4月以来の0.21%まで低下した。米国も株安・債券高で、日本時間今夜の米国株を占うシカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500種株価指数先物は、基準価格比15ポイント以上下げ、先安懸念を助長した。

  投資家の間でグローバル景気への不安が強まっていることも株価の押し下げ要因だ。経済協力開発機構(OECD)が8日に発表した昨年12月の景気先行指数は99.7と前月の99.8から悪化、8日のニューヨーク原油先物は再び30ドルを割れた。また、海外で金融、信用不安も芽生えつつある。ドイツ銀は8日、高リスク債券の利払い能力をめぐる投資家の不安払拭(ふっしょく)を目指し、ことしと来年の利払いに十分対応できる資金力があると表明。北米企業の債務不履行(デフォルト)に備える社債保証料を表すマークイットCDX北米投資適格級指数のスプレッドは、4年ぶりの高水準に達した。

  きょうの国内市場でも安全資産に逃避する動きが鮮明で、ドル・円は午後に一時1ドル=114円20銭台まで円高が加速、前日の日本株市場の終値時点は117円42銭だった。長期金利は史上初めて一時マイナス金利となった。海外市場の流れから反落した始まった日本株は徐々に下げ幅を拡大、円高や金利の動きを受けた午後にはTOPIXが1月21日に付けた直近安値(1301.49)を下抜け、一時14年10月31日以来の1300ポイント割れとなった。

  SBI証券の藤本誠之シニア・マーケット・アナリストは、「ギリシャ、ドイツ銀行、シェールガス、悪い話だけが聞こえ、投資家は今非常に悩んでいる」と言う。市場の不安心理は行き過ぎているが、「足元の日経平均のEPSは下がり続け、なかなか底を付けるのは厳しい」との見方を示した。9日終了時の日経平均の1株予想利益(EPS)は1075円。昨年末時点の1222円から12%低下した。

下落銘柄数は過去最高

  東証1部33業種の下落率上位は証券・商品先物取引、銀行、海運、輸送用機器、パルプ・紙、精密機器、電機、ガラス・土石製品、その他製品、その他金融。東証1部の売買高は31億7335万株、売買代金は3兆556億円。上昇銘柄数はわずかに27、下落は1904。ブルームバーグ・データによると、下落銘柄数の多さは過去最高。

  売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3社が52週安値を更新し、トヨタ自動車やソフトバンクグループ、ソニー、富士重工業、村田製作所、パナソニック、野村ホールディングスなどが大幅安。16年12月期は営業微減益を計画したヤマハ発動機は一時2割以上下げた。半面、東京ディズニーランド・ディズニーシーの入園料を値上げするオリエンタルランドのほか、クックパッドは逆行高。

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