2月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が急伸、対ドル115円台-世界経済への不安で逃避需要

8日のニューヨーク外国為替市場では円が約1年ぶりの高値に上 昇。世界経済の底堅さについて不安が強まる中、安全な逃避先として円 の需要が強まった。

日本が経常黒字国であるため、円は市場が不安定になった時に逃避 先通貨として買われる傾向があり、この日は主要16通貨全てに対して上 昇した。欧州株が2015年10月以来の安値に沈み、S&P500種株価指数 が大幅に下げたことから、為替市場のボラティリティは2013年6月以来 の高水準となった。

社債信用度への不安や世界経済の減速懸念、市場ベースの指標が示 すインフレ鈍化を背景に高利回り資産への買い意欲が弱まった。これら に対する当局の見解や短期的な利上げの可能性を探る上で、今週のイエ レン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言に注目が集まる。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのアナリス ト、ジョー・マニンボ氏は「不確実性が高まり、今年の米金融当局にと ってドアがまだわずかに開いているように見えるため、市場はその現実 に合わせて調整しているのだと思う。日本の銀行システムは安定してお り、経常収支は黒字だ。そのため、世界経済というグラスの半分が空に 見えるときには、日本と円が好ましい逃避先の一つとなる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前営業日比0.9%上 昇して1ドル=115円85銭となった。対ユーロでは0.6%上げて1ユーロ =129円67銭。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ ドル・スポット指数は0.2%下落。

JPモルガン・チェースの指標によれば、世界通貨ボラティリティ は11.77%に上昇した。

債券市場での緊張の高まりを受け、米企業クレジット・デフォル ト・スワップ(CDS)市場では米企業の社債保証コストが2012年以来 の高水準となった。株式相場は下落。ナスダック総合指数は14年10月以 来の安値水準に下落した。原油相場は3営業日続落。

みずほ銀行の通貨ストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏(ニュ ーヨーク在勤)は「リスク回避の動きが活発になっており、円は引き続 き逃避先としての役割を担っている。全ては米金融当局を含む中央銀行 の政策にとってどのような意味を持つかだ。米金融当局については引き 締め軌道をめぐり不透明感がいくらか出ていると思う」と発言。円が一 段高になると予想した。

イエレンFRB議長は10、11両日に議会で証言する。金利先物市場 が示す年末までの利上げ確率は低下している。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン 在勤)はイエレン議長の証言について、「極めて重要だ」と指摘。「今 後の金融政策をめぐる市場の解釈」を形成する上で一助になるだろうと 述べた。

原題:Yen Jumps to Highest Since ’14 as Recession Risk Spurs Haven Bid(抜粋)

◎米国株:下落、ナスダックは弱気相場迫る-引けにかけ下げ渋る

8日の米国株は下落。S&P500種株価指数は1年10カ月ぶり安値 に下げた。銀行株が2営業日連続で売りを浴び、指数は2013年以来の低 水準となった。ナスダック総合指数は弱気相場入りが迫っている。

株価は終盤に下げ幅を縮小。エネルギー株の上げが寄与した。この 日はアマゾン・ドット・コムとフェイスブック、グーグル親会社のアル ファベットがいずれも下落。モルガン・スタンレーやゴールドマン・サ ックス・グループも大幅安。ナスダック・バイオテクノロジー指数 は3.2%下げた。

ナスダック総合指数は1.8%安の4283.75。一時は3.5%下げた。 S&P500種株価指数は1.4%安の1853.44。終値ベースで2014年4月以 来の低水準。ダウ工業株30種平均は177.92ドル(1.1%)安の16027.05 ドル。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「先 週のテクノロジー株に対するバリュエーションの見直しからの売り圧力 がまだ続いているほか、原油安も影響している」と述べた。その上で 「問題はテクノロジー株や最近売られているかつての人気銘柄に限らな い。クレジット市場に最近みられるストレスも関係している」と続け た。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は11 %上昇して26と、約2週ぶりの高水準。月初からは 約29%上昇しており、伸び率としては昨年8月以来で最大。

金融市場の変動と低調な経済データを背景に、投資家は追加利上げ の見通しを後退させている。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で 追加利上げが実施される確率はほぼゼロとして織り込まれている。4月 会合でも6%と、先週末の17%から低下した。

四半期決算の発表もシーズン半ばを過ぎた。これまで発表したS& P500種構成企業のうち約77%で利益が予想を上回ったが、売上高が予 想を上回ったのは50%に満たなかった。アナリスト予想ではS&P500 種採用企業の第4四半期利益は4.5%減。先月15日時点では7%減が見 込まれていた。

S&P500種のセクター別では10指数のうち9指数が下落した。特 に金融、一般消費財・サービス、情報技術、素材が下げた。エネルギー 株は一時3%安まで下げたが、ほぼ変わらずで終えた。

KBW銀行指数は3.1%下落し、2013年6月以来の低水準。コメリ カとシティグループ、バンク・オブ・アメリカ(BOA)はいずれ も5.1%を超える大幅安だった。

この日はニューヨークの原油先物がバレル当たり30ドルを下回った ものの、シェブロンは3.8%高、エクソンモービルは1.4%値上がりし た。パイプライン運営会社ウィリアムズは35%安。同社買収で合意が成 立しているエナジー・トランスファー・エクイティ(ETE)が最高財 務責任者(CFO)の交代人事を発表。ウィリアムズ買収の先行きが怪 しくなったとして、投資家の間で不安感が強まった。

天然ガス掘削会社チェサピーク・エナジーは33%安。財務面での選 択肢が少なくなってきているとの懸念が背景にある。同社は流動性の危 機に直面しているとの観測を否定した。

原題:Rout Worsens in U.S. Stocks as Nasdaq Lurches Toward Bear Market(抜粋)

◎米国債:急伸、株・原油安で逃避需要-市場の利上げ予想も後退

8日の米国債相場は急伸。利回りは1年ぶり低水準を付けた。世界 的な金融市場の混乱で逃避の動きが強まったほか、トレーダーの間で米 当局が次の利上げを2017年遅くまで待つとの見方が広がった。

この日は世界的に株安となり、原油相場も下落。これを手掛かりに 債券市場のインフレ見通しの指標は約7年ぶり低水準に落ち込んだ。市 場では国内外の経済減速で米当局が利上げを先送りするとの観測が広が っており、米国債にはプラスとなっている。米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン議長は今週、半期に一度の議会証言を行う予定。 市場では、政策当局が昨年12月に示した今年4回の利上げ予想を後退さ せている兆候をつかもうと、議長の発言に注目している。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴール ドバーグ氏は「市場は非常に神経質な状態が続いている。つまり、マク ロ経済のファンダメンタルズがこの先どのような展開になるかほとんど 確信が持てていないということだ」と指摘。「リスク回避の動きが全て 米国債にとってプラスなのは間違いない」と続けた。

ブルームバーグのデータによれば、先物市場が次の0.25ポイントの 利上げ時期として完全に織り込んでいるのは2017年11月だ。5日の時点 では、来年7月の利上げが織り込まれていた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前週末比9ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.75%。同年債(表面利 率2.25%、2025年11月償還)価格は104 15/32。米財務省は10日に10年 債入札(発行額230億ドル)を実施する。

10年債利回りは15年2月以来の水準に低下。2年債利回りは10月以 来の低水準を付けた。両利回りの格差は1.1ポイント未満と、08年1月 以降で最小となった。ブルームバーグ米国債指数によれば、米国債の年 初来リターンは約3.4%。

通常の米10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り 格差(ブレークイーブンレート)は1.24%と、終値ベースで見て09年4 月以来の低水準。ニューヨーク連銀がこの日発表した1月の消費者イン フレ期待指数は、少なくとも13年半ば以来の水準に低下した。

原題:Treasuries Surge as Bets Evaporate That Fed Will Hike This Year(抜粋)

◎NY金:1200ドルを上回る、昨年6月以来で初-景気不安で買い集中

8日のニューヨーク金相場は上昇し、昨年6月以降で初めて1オン ス=1200ドルを上回った。景気への不安を背景に世界の株式市場に動揺 が広がる中、金に買いが集中した。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「きょうは金の取 引が活発だ」と指摘。「株価の急激な下落を受けて、質への逃避の動き がさらに強まった。これは中国が先週より不安定であることを示してい る」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時51分 現在、金スポット相場は前週末比1.9%高の1オンス=1195.40ドル。一 時は1200.97ドルと、昨年6月22日以来の高値をつけた。

原題:Gold Tops $1,200 for First Time Since June on Economic Woes (抜粋)

◎NY原油:30ドル割れ、ベネズエラ高官から減産合意発表なく

8日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が3営業日連続の大幅安となり、30ドル を割り込んで引けた。サウジアラビアとベネズエラの石油相会談から は、原油相場を押し上げるような発表はなかった。この日の株式相場は 世界的に大きく下げた。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の シニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「米国外の生産が削減さ れることはないという現実が、じわじわと浸透しつつある」と指摘。 「供給超過の現状に何らかの変化がなくてはならないが、それはまだ起 きてない。先週は米国の在庫がまた大幅増加しており、リヤドで会合し たベネズエラ石油相からは減産合意の発表はなかった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前営 業日比1.20ドル(3.88%)安い1バレル=29.69ドルで終了。終値ベー スで1月21日以来の安値。ロンドンICEのブレント4月限は1.18ドル (3.5%)下げて32.88ドル。

原題:Crude Tumbles With Equities as Venezuela Fails to Achieve Deal(抜粋)

◎欧州株:ストックス600、大幅下落-ギリシャ株は1990年来の安値

8日の欧州株式相場は約1年ぶりの安値となった。景気回復の力強 さをめぐる懸念から売りが膨んだ。この日の西欧市場では、ギリシャ株 の下落率が最も大きかった。

指標のストックス欧州600指数は前週末比3.5%安の314.36で終了。 ギリシャのアテネ総合指数は7.9%下げ、1990年以来の安値まで沈ん だ。ギリシャの銀行株は過去最安値を更新し、域内全体の銀行株指数 は2012年以来の低水準を付けた。

主要株価指数は全て下落し、イタリアとスペインでは4%強の下 げ。ドイツのDAX指数は3.3%安と、14年以来の安値となった。コメ ルツ銀行は9.5%急落。同行の投資判断をキーフ・ブルュイエット・ア ンド・ウッズ(KBW)が売りに引き下げた。

投資運用会社プライム・パートナーズ(ジュネーブ)のフランソ ワ・サバリー最高投資責任者(CIO)は「投資家は世界の景気につい て判断できない。だが、リセッションとデフレのリスクは高まってい る」とし、「バリュエーションがこれまでに大きく下がり、企業業績も それほど悪くないというのでは十分ではない。センチメントがかなり弱 く、見通しも現在は良くない。これが投資家には恐ろしい」と語った。

ストックス600指数を構成する業種別19指数が全て下げる中、建設 関連銘柄と銀行銘柄が特に大きく値下がりした。ギリシャのユーロバン ク・エルガシアスとアルファ銀行を中心に下げ、銀行株指数は12年以来 の安値を付けた。

ストックス600指数の株価収益率(PER、予想収益ベース)は現 在13.8倍と、15年4月に付けた過去最高を約21%下回っている。

原題:European Stocks Tumble as Greek Shares Fall to Lowest Since 1990(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債が急落-ドイツ債など上昇、安全求める動きで

8日の欧州債市場ではポルトガル国債が急落した一方、安全性が比 較的高いとされるドイツなどいわゆる中核国の国債が買われた。欧州中 央銀行(ECB)が打ち出す可能性のある追加緩和 の効果に疑念が生じたためだ。

ユーロ参加国の中で債務と赤字の規模が大きい国の債券が売られ、 ポルトガル国債の10年物利回りは2014年以来の高水準に達した。この一 方で、域内で最も安全とされるドイツ国債の10年物利回りは昨年4月以 来の低水準を付けた。これでイタリアやスペインの10年債のドイツ国債 に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は昨年6月以降では最大に広が った。

域内では高格付け国債の年初来パフォーマンスが周辺国債を上回っ ている。原油安と世界株安で景気減速懸念が強まったことが背景にあ る。これに加えてユーロ圏では、銀行の信用リスクの高まりやギリシャ 支援プログラム査定作業の滞り、ポルトガルが緊縮策を緩める可能性も 影響している。ECBのドラギ総裁は来月の会合で金融政策を見直す方 針を示したものの、緩和拡充の余地は限られているとの見方が投資家の 間に広がっている。

サンライズ・ブローカーズ(ロンドン)の債券調査部門エグゼクテ ィブディレクター、ジャンルカ・ジグリオ氏は「量的緩和(QE)がポ ルトガル国債利回りにもたらした効果は基本的に帳消しになってしまっ た」と指摘。「水面下では問題がそのまま残ってある。周辺国債は安全 ではなく、ECBが3月に打ち出す措置とそれがもたらす効果を疑問視 する向きは増えている」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ポルトガル10年債利回りは前週末比25 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.38%。一時 は3.42%と、14年10月以来の高水準を付けた。同国債(表面利 率2.875%、2026年7月償還)価格は2.15下げ95.595。独10年債とのス プレッドは一時319bpに広がり、これは14年3月以降では最大。

ドイツ10年債利回りは8bp低下の0.22%。昨年4月29日以来の低 水準となる0.21%まで下がる場面もあった。2年物利回りは過去最低を 記録。オーストリアとオランダ、フィンランドとフランスの2年債利回 りもこれまでの最低を付けた。

原題:Europe’s Bonds Split With Portugal’s Tumbling Amid QE Skepticism(抜粋)

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