NY外為:円が急伸、対ドル115円台-世界経済への不安で逃避需要

更新日時
  • 通貨ボラティリティが2年半ぶり高水準
  • 株、国債利回り、原油相場が下げ-FRB議長証言を10日に控え

8日のニューヨーク外国為替市場では円が約1年ぶりの高値に上昇。世界経済の底堅さについて不安が強まる中、安全な逃避先として円の需要が強まった。

  日本が経常黒字国であるため、円は市場が不安定になった時に逃避先通貨として買われる傾向があり、この日は主要16通貨全てに対して上昇した。欧州株が2015年10月以来の安値に沈み、S&P500種株価指数が大幅に下げたことから、為替市場のボラティリティは2013年6月以来の高水準となった。

  社債信用度への不安や世界経済の減速懸念、市場ベースの指標が示すインフレ鈍化を背景に高利回り資産への買い意欲が弱まった。これらに対する当局の見解や短期的な利上げの可能性を探る上で、今週のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言に注目が集まる。

  ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「不確実性が高まり、今年の米金融当局にとってドアがまだわずかに開いているように見えるため、市場はその現実に合わせて調整しているのだと思う。日本の銀行システムは安定しており、経常収支は黒字だ。そのため、世界経済というグラスの半分が空に見えるときには、日本と円が好ましい逃避先の一つとなる」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前営業日比0.9%上昇して1ドル=115円85銭となった。対ユーロでは0.6%上げて1ユーロ=129円67銭。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%下落。

  JPモルガン・チェースの指標によれば、世界通貨ボラティリティは11.77%に上昇した。

  債券市場での緊張の高まりを受け、米企業クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では米企業の社債保証コストが2012年以来の高水準となった。株式相場は下落。ナスダック総合指数は14年10月以来の安値水準に下落した。原油相場は3営業日続落。

  みずほ銀行の通貨ストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏(ニューヨーク在勤)は「リスク回避の動きが活発になっており、円は引き続き逃避先としての役割を担っている。全ては米金融当局を含む中央銀行の政策にとってどのような意味を持つかだ。米金融当局については引き締め軌道をめぐり不透明感がいくらか出ていると思う」と発言。円が一段高になると予想した。

  イエレンFRB議長は10、11両日に議会で証言する。金利先物市場が示す年末までの利上げ確率は低下している。

  カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン在勤)はイエレン議長の証言について、「極めて重要だ」と指摘。「今後の金融政策をめぐる市場の解釈」を形成する上で一助になるだろうと述べた。

原題:Yen Jumps to Highest Since ’14 as Recession Risk Spurs Haven Bid(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE