昨年の現金給与総額は0.1%増、伸びにブレーキ-厚労省

  • 実質賃金は0.9%減で4年連続でマイナス、物価上昇が追い打ち
  • マイナス金利の後押し効果まだ分からないと日本総研・山田氏

  2015年の現金給与総額の伸びは前年より鈍化し、実質賃金は4年連続で減少した。企業収益を消費増につなげようというアベノミクスの鍵である賃金の上昇テンポはなお鈍い。

  厚生労働省が発表した15年の毎月勤労統計速報によると、月間現金給与の平均は前年比0.1%増の31万3856円となり、14年の同0.4%増から伸びが低下した。現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は同0.9%減となり、前年の2.8%減よりマイナス幅は縮小したもののなお水面下だ。

  安倍晋三首相は、アベノミクスによる企業収益の果実を設備投資や賃上げに振り向けて、経済の好循環を実現するよう繰り返し経団連などに要請している。黒田東彦日銀総裁は1月15日の衆院予算委員会で、企業収益や労働需給からすると賃金上昇はやや鈍いとの認識を示した。

  日本総合研究所の山田久チーフエコノミストは「これだけ人手不足で労働市場がひっ迫している割には、極めて賃金の上昇テンポが弱いと言えると思う」と指摘。日銀のマイナス金利導入には賃上げを後押しする狙いがあるとしながらも、株式市場の反応などをみていると「どの程度効果があるかは少し見ないと分からない状況だと思う」と述べた。

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