世界の三大原油指標の争い、原油貿易の流れ変える

  • WTI、ブレント、ドバイ原油の価格変動が貿易の流れに影響
  • 供給過剰の中、ドバイ原油はブレントとWTIに比べ割安に

原油タンカー「トフテビケン」は今月、英国から北海のエコーフィスク油田産原油を5年ぶりに米メキシコ湾岸へと輸送する予定だ。

  そこから7000マイル(約1万1270キロメートル)余り離れた場所ではタンカー「サイロス・ウォーリア」がシベリア産原油を中国の青島港に向けて運搬する見通しだ。ロシアで荷積みされる中国向け原油は過去最大の伸びを示し、ロシアはアンゴラを抜き中国向け原油供給で2位となった。一方、米テキサス州では1隻のタンカーが中国に向けて出航する予定で、米国による原油の輸出禁止措置解除後の最初の出荷の一つとなる見通しだ。

  これらの輸送実態は、米シェールブームの影響で2014年に始まった原油価格下落によって、世界の原油市場がどれほど大きな影響を受けているかを示している。産油国が生産継続を決定したことに伴って供給が過剰となり、それによって打撃を受けている世界の三大原油指標間の関係の変化を反映している。

  サムスン・フューチャーズ(ソウル)の商品アナリスト、ホン・ソンギ氏(ソウル在勤)は、「三つの原油指標間のスプレッド(価格差)の拡大により、買い手と売り手との間で維持されていた安定した関係が損なわれつつある」と指摘。「産油国は市場シェア確保に向け競合しているため、このことは最終的には産油国間の価格競争のさらなる激化につながるだろう。スプレッドが変化すれば原油貿易の流れも変わる場合が多い」と述べた。

  PVMオイル・アソシエーツのデータによれば、ドバイ原油と北海ブレント原油のスプレッドは1月5日に1バレル=最大4.55ドルに拡大し、ドバイ原油はブレント原油に対し1年半ぶりの安値となった。スプレッドは昨年7月時点では60セントと、過去5年で最小となっていた。

  米国ではシェールブームを背景に、40年にわたって続いていた原油禁輸措置が解除された。それにより、トレーダーらは米指標原油ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)を他地域から供給される原油との比較のため一層注視するようになっており、WTIは米国産だけの指標から役割が拡大している。

原題:Battle of Three Oil Benchmarks Upending Crude Flows Across Globe(抜粋)

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