長期金利が史上初のマイナス、世界的金利下げ圧力-20年まで過去最低

更新日時
  • 先物は前日比94銭高の152円25銭と、過去最高値で終了
  • 新発2年債利回りマイナス0.245%、5年債はマイナス0.255%

債券相場は大幅上昇。長期金利は史上初のマイナスとなり、新発20年債利回りまで過去最低を更新した。景気減速懸念などを背景にした世界的な債券買いによる金利下げ圧力が国内債市場にも広がった。

  9日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)低い0.02%で開始。午前にはゼロ%まで達し、午後の取引開始後にはマイナス0.005%を付け、一時はマイナス0.035%まで低下した。その後はマイナス0.025%に戻している。

  新発2年物の361回債利回りはマイナス0.245%、新発5年物の126回債利回りはマイナス0.255%と、ともに過去最低を更新。新発20年物の155回債利回りは一時0.715%と、1日に付けたこれまでの最低水準0.74%を下回った。新発30年物の49回債利回りは1bp低い1.06%を付けている。

  UBS証券の井川雄亮デスクストラテジストは、「10年債利回りのマイナス化そのものは時間の問題だと考えていたので驚きはない。為替市場での円高もあり、日銀が3月まで金融政策決定を待てるかという議論もある」と話した。ただ、「マイナス金利が導入されるのは16日。ここまでは市場の準備も含めて日銀は動くことが難しい。その意味で向こう1週間は市場は神経質になる可能性がある」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比25銭高の151円56銭で開始。その後も買い優勢の展開が続いて、午後は一段高となり、史上初めて152円台に乗せた。結局は94銭高の152円25銭と過去最高値で引けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「10年債利回りがマイナスになったのは想定通り。5年債など中期債も強い。5年債・10年債に続いて、超長期債にも買いが入ってくるかが重要」と話した。

30年債入札

  財務省が午後発表した表面利率1.4%の30年利付国債(49回債)の入札結果によると、最低落札価格は107円15銭と、市場予想の107円10銭を上回った。小さければ好調なテール(落札価格の最低と平均の差)は36銭と前回の4銭から拡大。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.04倍と前回の3.73倍から低下した。

  みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは、30年債入札について、「事前には懸念もあったが思ったより良かった。ひとまず不安感は後退していくだろうが、まず買われるのは20年債だろう。10年-20年のイールドカーブが立っている。その後はいずれ、30年ゾーンまでカーブをつぶしに行くだろう」と分析した。

  8日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前週末比9bp低下の1.75%程度と、昨年2月以来の低水準で引けた。米国株相場の下落に加えて、原油先物相場が下げたことが買い手掛かり。アジア時間の取引では、1.68%まで一時下げた。この日の東京株式相場は大幅下落。日経平均株価は円高進行などを背景に、前日比918円86銭安の1万6085円44銭で引けた。

  みずほ証の末広氏は、長期金利のマイナス化について、「日銀のマイナス金利導入で、短中期債を中心にもう少し金利低下の余地があるとして水準感を探っているうちに、海外市場でリスクオフ材料が重なり、株安・円高とともに金利レンジが一段と低下した影響が波及してきている」と話した。  

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