米国株強気派のとりでに亀裂-ストラテジストの下方修正増加

更新日時
  • ストラテジスト21人中7人がS&P500種の年末予想を下方修正
  • ストラテジスト予想の上限と下限との差は4年ぶりの大きさ

2016年の株式相場に強気な予想が平均的なコンセンサスの中、中国や原油、金利などをめぐる市場の混乱を受けてウォール街のストラテジストの決意が弱まりつつある兆候が強まっている。


  波乱の相場展開で時価総額が2兆ドル(約230兆円)余り吹き飛んでおり、ブルームバーグが追跡する21人のストラテジストのうち7人が年初から5週間でS&P500種株価指数の予想を下方修正した。年末予想の平均も引き下げられた。1年のこれほど早い時期に予想が下方修正されるのはイラク戦争が起きた03年以来のことだ。


  1月の米株式相場は7年で最悪のパフォーマンスとなった。銀行株が繰り返し売り込まれ、原油相場も荒っぽい値動きが続く中で、大胆な強気予想で有名な予測者たちの動揺が市場の不安を強めている。ストラテジスト予想の上限と下限の差は325ポイントと、この時期としては12年以降で最も大きい。


  ウィーデン(コネティカット州)のチーフ・グローバルストラテジスト、マイケル・パーブス氏は「予想の差が開いているのは、中国と原油という2つの不確定要素の予測という極めて大きな問題を株式ストラテジストが抱えているためだ」と指摘。「利益成長が必要なのは明らかだが、これは原油相場に左右される。中国は世界の成長の貢献者で、市場のセンチメントに対する極めて大きな要因だ。中央銀行はこれら2つの要因の影響を若干弱めることができるが、直接対処することはできない」と分析した。


  S&P500種は今年に入って8%下落し、08年以降で最も低調なスタートを切った。企業収益も安心材料にはなっておらず、S&P500種構成企業は3四半期連続で減益が見込まれている。ブルームバーグの集計データによると、構成企業の15年度第4四半期利益は4.5%減少する見通し。


  S&P500種の予想を下方修正した7社のうち、カナコード・ジェニュイティ・セキュリティーズのトニー・ドワイヤー氏は、かつてウォール街最大の強気派だった。JPモルガン・チェースの米国株戦略責任者、ドブラフコ・ラコスブハス氏は1月26日、市場のボラティリティの高まりで経済や企業収益に悪影響が及ぶ恐れがあるとして、同行の予想を9.1%引き下げた。


  ブルームバーグが調査したストラテジストによるS&P500種の年末予想中央値は2175と、今月5日の終値を16%上回る水準。昨年11月30日時点のコンセンサス予想は2245だった。8日午前のアジア市場ではS&P500種のEミニ先物3月限がほぼ変わらずの1876。


原題:Bull Fortress Cracking on S&P 500 as Strategists Cut Targets (1)(抜粋)


(5段落目以降を追加して更新します.)
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