育休宣言の自民・宮崎氏、長男誕生で「父の自覚」-与野党に異論も

  • 国会議員は自由に時間を使える、「制度設計を優先せよ」との批判
  • 男性の育児休業割合は2.3%、政府目標は2020年に13%に引き上げ

自民党の宮崎謙介衆院議員は5日、喜びに満ちあふれていた。約3時間前に長男が誕生したばかり。「泣き声を聞いて、俺がこの子を守らないといけないんだという責任と自覚が湧いてきた」とその瞬間を振り返り、男性が育児休業を取得する意義をブルームバーグのインタビューで語った。

  宮崎氏は「男性の育児参加は、女性の社会進出、少子化対策、働き方改革にとって意味がある」と語り、「社会的なメッセージ」を伝えるために、育休取得を決意したと話した。取得期間は、自民党の同僚でもある妻、金子恵美衆院議員の退院後、およそ1カ月とする考えだ。

  衆院規則は、「議員が出産のため議院に出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届を提出することができる」と記述。金子恵美氏もこの制度を利用している。育児に関してはこうした明確な規定はないが、宮崎氏は昨年12月、妻の出産後に育休を取得する考えを明らかにしていた。

  育休取得には与野党から異論が出ている。自民党の谷垣禎一幹事長は1月の会見で、「育児休暇制度は雇用されている人を中心に作られてきた制度」と発言。民主党の蓮舫代表代行は4日の会見で、「国会議員は自分の判断で本会議以外の時間を比較的自由に使える」ため、「育児をしながら仕事をするということが一般のサラリーマンに比べて現実的」と指摘。宮崎氏には「後輩のための制度設計を最優先すべき」と反発している。

  早稲田大学の川上智子教授は宮崎氏の行動について、日本社会に「波紋を広げていくという意味では意義がある」と評価したが、「それだけでは急には広がらない」とも指摘。今後育休を広めていくには、「自分だけが特別ではないという空気が男性の行動を促す」として、「短期でも取得しやすいようにして、取得率を早く向上させるのも一案」と述べた。  

育児参画

  育児休業法は、労働者を対象に、父母がともに育休を取得する場合、子供が1歳2カ月までの間に、1年間の育休を取得できるよう定めている。

  同志社大学の加登豊教授は、日本の組織は特定の人が抜けると仕事が回らなくなる仕組みになっていると指摘した上で、「育児休業などを推進することでバックアップが効く人材の育成が進み、中長期的には会社にもプラス」と説明。「日本の企業は横並びだから、各産業のトップ企業が育休を促進し始めれば、放っておいても広がる」とも話した。宮崎氏の行動については、「後に続く人が与野党ともに出てくればムーブメントになるかもしれない」と語った。

  2014年度雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得者割合は2.3%。政府は2020年の男性の育休取得率を13%まで引き上げる目標を掲げている。

  宮崎氏は、男3人兄弟の末っ子として育った。商社マンの父親の育児参加は「まったくなかった」といい、「父を尊敬しているけれど、距離がある」と語った。誕生したばかりの長男の子育てについては、「子供との距離は近い方が良い。あとは自由に育ててあげたい」と話した。

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