【インサイト】バンカーの未来、それは縮むパイの「かけら」の奪い合い

  • 投資銀行業務からの収入のパイは急速に縮む
  • 競争は激化しマージン圧迫、報酬に上昇圧力へ

欧州の投資銀行が分け合える利益のパイは縮みつつあるー。これはたびたび言われていることだ。一方、それほど広く認識されていないのは、そのパイの「かけら」を奪い合う戦いがどれほど激しいものになるかだ。結果はウォール街も含めた誰にとっても、居心地のいいものではないだろう。

  ドイツ銀行クレディ・スイス・グループ、バークレイズはそれぞれ新最高経営責任者(CEO)の下で、必要な改革にようやく乗り出した。目指すところは皆同じ、新資本規制と金融市場の不安定によって業績が圧迫される投資銀行事業の縮小だ。

  しかしこの大々的な取り組みの間にも、投資銀行業務からの収入のパイは誰も予想しなかったほどのスピードで縮んでいる。2015年10-12月(第4四半期)の同業務収入はドイツ銀で30%減、クレディ・スイスで26%減、UBSグループは10%減だった。

  投資銀の縮小で先行した銀行、例えばUBSや米国勢にもリスクがある。後発組の立て直しがうまくいこうがいくまいが、利益率には下押し圧力、優秀なバンカーの報酬には上昇圧力がかかるだろう。

  クレディ・スイスを見れば分かる。ティージャン・ティアムCEOは事業の軸足をウェルスマネジメントに移そうとしているが、投資銀行の全分野から撤退するつもりはない。「プロダクトミックスをリバランスする」と同行は言っているが、つまり収益が不安定なトレーディングから離れ、合併・買収(M&A)助言と株式引き受けに力を入れたいということだ。

  これは短期的には、投資銀行で人を増やし給料を上げることを意味する。クレディ・スイスの投資銀行部門の費用は昨年、「戦略的採用」などのために31%増えた。撤退しようとしているようには見えない。

  そういうわけで、市場シェアを死守しようとする側と安定的な収入源へと「リバランス」しようとする側が入り乱れ、競争激化がセクター全体の重しとなることだろう。

原題:The Future for Bankers Is Fighting for Scraps: Gadfly (Correct)(抜粋)

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