北朝鮮がミサイル発射、沖縄県上空通過も破壊措置なし-日本政府

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  • 明白な国連決議違反、国際社会と連携して毅然として対応-安倍首相
  • 5つに分離し、1つは飛行継続-北朝鮮国営放送は発射成功と発表

日本政府は北朝鮮の「人工衛星」 と称する弾道ミサイルが発射されたと発表した。物体の一部は沖縄県地方上空を通過し飛行を継続した。

  総務省消防庁の発表によると、北朝鮮は弾道ミサイル1発を7日午前9時31分ごろ同国西岸で発射。朝鮮半島西の黄海や南西の東シナ海のほか日本の南2000キロメートルの太平洋上など、これまでに計4つの物体が洋上に落下したと推定されている。沖縄県内の消防本部や市町村からは落下物や被害の情報はないとしている。

  ミサイルの発射を受けて、政府は同日午前に国家安全保障会議を開催。菅義偉官房長官は同会議後の会見で、今回のミサイル発射は「安全保障上の重大な挑発」とし、北朝鮮に対して北京の大使館を通じて厳重に抗議するとともに、日米間で国連安保理の緊急会合の開催を要請したと話した。また、発射されたミサイルは5つに分離し、落下しなかった1つが9時39分ごろに沖縄県上空を通過し「南方向に飛翔を継続」したことを明らかにした。自衛隊は破壊措置を実施していないという。

  北朝鮮は当初、「人工衛星」を8-25日に打ち上げる計画を国際海事機関(IMO)に通告。その後、予定日を7-14日に変更していた。1月6日には核実験も実施していた。国連安保理が新たな制裁を議論しているほか、日本政府も独自の追加制裁を検討している中でのミサイル発射となった。菅氏によると、今回の発射を踏まえ、安倍晋三首相は日本独自の制裁について速やかに決定できるよう準備することを指示したという。

  安倍首相は安全保障会議開催前に、記者団に対して「北朝鮮に対し、自制を求めてきたにもかかわらず、ミサイル発射を強行したことは断じて容認できない」とコメント。「明白な国連決議違反」であるため、国際社会と連携して対応する方針を示した。発言の映像は首相官邸のウェブサイト上に掲載された。

相次ぐ非難の声

  諸外国も直ちに非難声明を出した。ケリー米国務長官は北朝鮮による弾道ミサイル技術テストを禁止する国連安保理決議の「甚だしい違反だ」と指摘。韓国の朴槿恵大統領は「受け入れ難い挑発」だとし、北朝鮮への追加制裁の必要性を訴えた。中国の外務省も遺憾の意を表明し、関係各国に冷静な対応を求める声明文をウェブサイト上で発表した。

  国連の潘基文事務総長は報道官を通じて北朝鮮が弾道ミサイルの技術を使った発射を行ったことは「誠に遺憾」とのコメントを発表。挑発的な行動を慎み、国際協定の順守を求めた。国連安保理は今回の発射に関する緊急会合を米東部時間7日午前11時(日本時間8日午前1時)に開催する。

  北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは同日午後、現地時間7日午前9時に通信機器を搭載した衛星を打ち上げ、軌道に乗せることに成功したと伝えた。追加の打ち上げもあると報じている。

  ホワイトハウスが5日発表した声明によると、オバマ米大統領と中国の習近平国家主席は今回の発射前に電話で協議し、ロケット発射がミサイル試験を禁じる複数の安保理決議に違反し、「さらなる挑発的で不安定化を招く行動となる」との認識で一致していた。

(各国の反応を加えて更新します.)
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