長期金利が上昇、日銀オペ見送りや明日の30年入札警戒-スピード調整

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  • 先物は9銭安の151円31銭で終了、長期金利は一時0.045%に上昇
  • 投資家は金利があるうちに買いたいが、期末控え無理できないとの声

債券相場は反落し、長期金利は過去最低水準から0.045%まで上昇した。日本銀行が今日の金融調節で長期国債買い入れオペを見送ったことや、明日の30年国債入札に対する警戒感などを背景に売りが優勢だった。市場参加者からは、最近の急激な金利低下の反動との見方が出ていた。

  8日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.02%で開始。5日に付けた過去最低に並んだ。直後から上昇し、一時は0.045%まで水準を切り上げた。その後は0.04%に戻している。

  新発20年物の155回債利回りは横ばいの0.76%で開始後、いったん0.75%まで下げたが、再び0.76%に戻している。新発30年物の49回債利回りは横ばいの1.07%で開始後、1.08%まで上昇。その後は買いが入り1.065%まで下げたが、再び1.07%で推移している。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「債券市場は足元の金利低下のスピード調整で利回りが上昇。10年債利回りは目線が徐々に0.05%で定まりつつある」と指摘。「今週は米国でも入札ラッシュがあり、グローバルに債券相場の上値が重くなりそうなことも、円債の重荷になっているかもしれない」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は、前週末比16銭高の151円56銭で開始。いったん151円60銭を付けた後、下げに転じた。午後に入ると一段安となり、151円17銭まで下落。取引終盤にかけて下げ幅を縮め、結局は9銭安の151円31銭で引けた。  

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、「超長期のイールドカーブがスティープ化しており、30年債入札に向けて警戒感が出てきている」と指摘。「先週末は10年債がゼロ%に迫ったが、マイナス金利政策がイールドカーブ全体にどういう影響を与え、フェアバリューがどうなるか探り始めたばかり。投資家は金利があるうちに買いたい気持ちがある一方、期末を控えて無理もできない」と話した。

30年債入札

  9日には30年国債入札が予定されている。前回入札された49回債のリオープン発行となり、表面利率は1.4%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回債と同額の8000億円程度となる。

  JPモルガン証の山脇氏は、30年債入札について、「30年ゾーンは入札を控えているものの、10年債と比べるとしっかり。明日の入札は無難な結果になるのではないか」と予想する。

  日銀は今日午前の金融調節で、今月4回目となる長期国債の買い入れオペの実施を見送った。市場参加者からは、オペ見送りは想定されていたが、高値警戒感に加えて、明日に30年債入札を控えているタイミングだけに相場の重しとなったとの見方が出ていた。

  みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは、「債券相場は明日の30年債入札への警戒感があって重たい展開。日銀の国債買い入れオペ見送りも調整の材料になっていたかもしれない」と話した。

  5日の米国債相場は横ばい圏。米10年債利回りは1.84%程度で引けた。1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比15万1000人増と、市場予想中央値の19万人増を下回ったが、平均時給は前月比0.5%増と予想の0.3%を上回った。平均時給は前月2.7%増と2009年半ば以来の大幅な伸びを示していた。一方、米国株相場は下落。S&P500種株価指数は1.9%安で引けた。

  みずほ証の丹治氏は、米雇用統計について、「非農業部門雇用者数は市場予想より下振れしたが、平均時給は予想より上振れし、失業率も改善して、強弱混合の内容だった」と分析。「フェデラルファンド(FF)金利先物を見ると、米追加利上げは年内1回あるかないかという織り込み。3月の米追加利上げの可能性は低いと思う。3月ではなく、6月か、6月以降にあるかもしれない。1回も難しいかもしれず、もしかしたらないかもしれない」と話した。  

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