2月5日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが上昇、予想上回る賃金増で利上げ観測

5日のニューヨーク外国為替市場でドルが上昇。対ユーロで3カ月 ぶり安値から値を戻した。朝方発表された1月の米雇用統計で賃金の伸 びが市場予想を上回り、米金融政策当局は年内利上げを継続するとの観 測につながった。

1月の平均時給は前月比で0.5%増加した。雇用統計を手掛かりに ドルは主要通貨の大半に対して上昇した。経済成長の減速で金融当局は 引き締め軌道を反転させるとの見方から、ドルは前日まで売られてい た。

CIBCワールド・マーケッツの外為戦略ディレクター、バイパ ン・ライ氏は「ドルは平均時給の伸びと失業率の低下に反応している」 と述べ、「市場参加者は過去数日間、米金利見通しを先走って考えてい た可能性を示唆する」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.5%上げて1 ユーロ=1.1158ドル。対円では0.1%上昇して1ドル=116円87銭だっ た。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.6%上昇。週間ベースの 下げは1.9%にとどまった。

1月の失業率は4.9%に低下。これは8年ぶりの低水準。非農業部 門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比15万1000人増加し た。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は19万人増だった。

チャールズ・シュワブ(ニューヨーク)のチーフ債券ストラテジス ト、キャシー・ジョーンズ氏は雇用統計は「ドルにとってある程度、支 援材料になっている」と述べ、「高値をつけるほどの強材料にはならな かったが、米金融政策当局が労働市場だけを見た場合には年内利上げの 可能性が開かれた」と続けた。

原油価格の下落や世界市場のボラティリティ上昇が米国のインフレ や経済成長の見通しを損ねるとの見方から、金利デリバティブ市場は今 週初め、年内利上げ見送りの可能性を織り込みつつあった。

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツで債券担当の最高 投資責任者(CIO)を務めるクリス・モランフィ氏は「最近の通貨市 場は米金融政策当局が今年極めてハト派的になるとの思惑を手掛かりと してきた。当社はそれが恐らく行き過ぎだったとみている」と指摘し た。

原題:Dollar Surges as Wage Gain Supports Case for Fed Rate Increases(抜粋)

◎米国株:テクノロジー株が大幅安-高バリュエーションに売り

5日の米株式市場ではテクノロジー株が大幅安。ナスダック総合指 数は2014年10月以来の水準に下げた。

1月の雇用統計が発表されたこの日の米国株市場では、高バリュエ ーション銘柄の一角が売りを浴びた。ナスダック・インターネット指数 は5.2%下落。フェイスブックは5.8%下げた。タブロー・ソフトウエア はライセンス収入が市場予想を下回ったことが嫌気され、49%を超える 急落。これを受けてセールスフォース・ドット・コムなどのデータ分析 関連の銘柄も連れ安となった。リンクトインは44%安。2016年の売上高 見通しが市場予想を下回った。

ナスダック100指数は前日比3.4%安の4024.47で、昨年8月以来の 安値。S&P500種株価指数は1.9%安の1880.05。ダウ工業株30種平均 は1.3%下げて16204.97ドル。

ウィリアムズ・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のプリンシ パル兼株式トレーダー責任者、スティーブン・カール氏は「投資家はさ らなる損失を食い止めようとテクノロジー大手や大型株を売っている。 それがきょう下げた主な理由だ」と分析。「経済指標は強弱まちまちだ った。やや軟調な展開で始まったが、その後下げ足を速め、新安値を付 ける展開となった。週末を控えて利益確定の動きも広がった」と続け た。

1月の雇用統計では雇用の伸びがより持続可能なペースに落ち着い たことが示されたほか、失業率は約8年ぶりの低水準となり、労働市場 の底堅さが示唆された。雇用の伸びは市場予想を下回ったものの、これ は大半において、昨年11、12月の季節的要因に伴う一時的な雇用増加の 反動が影響した。時給の伸びは予想を上回った。

S&P500種の情報技術株指数は3.4%安。ここ4日間で3回目の下 げとなった。タブローの急落を手掛かりに他のソフトウエアメーカーに も売りが広がり、セールスフォースは約13%安。アドビ・システムズや レッド・ハットも大きく下げた。

マトリックス・アセット・アドバイザーズ(ニューヨーク)の最高 投資責任者(CIO)、デービッド・カッツ氏は「市場は、これまでし っかり持ちこたえていた銘柄や2015年のモメンタム株の多くを大きく売 り始めている」と指摘。「リンクトインが45%と急落すれば、投資家の 強い懸念を引き起こすだけだ。誰もが狭い出口から逃げ出そうとする」 と続けた。

マイクロソフトは5日続落と、ここ5カ月で最長の連続安。半導体 株の指数は3.3%下落。エヌビディアやスカイワークス・ソリューショ ンズ、ブロードコムの下げが目立った。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。情報技術や一般消 費財の指数が特に大きく下げた。上昇したのは電気通信サービスと公益 事業の2指数のみ。

原題:Technology Shares Plunge in U.S. as Patience for Valuations Ebbs(抜粋)

◎米国債:2年債が下落、賃金上昇で利上げ観測強まる

5日の米国債市場では2年債相場が下落。米国の賃金の伸びが市場 予想を上回ったことから、年内の利上げ観測が強まった。

米労働省が発表した非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調 整 済み)は前月比15万1000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 予想の中央値は19万人増だった。平均時給は前月比0.5%増と、伸び率 は市場予想の0.3%を上回った。平均時給は前年比では2.5%増。前月 は2.7%増と、2009年半ば以来の大幅な伸びを示していた。

原油価格や世界的な株式相場の下落で米経済成長とインフレ期待が 押し下げられるとの懸念は、今回の統計を受けて多少和らいだ。10年債 利回りは今週、1年ぶりの低水準を一時つけた。米金融当局が今年想定 していた4回の利上げを実施できないのではないかと、市場で疑問が広 がったためだ。

BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏は「今回はヘッドラインの雇用者数よりも統計の詳細が市場の 注目を集めている」と指摘。「平均時給は良かった。賃金がどうなるの か皆関心があった。これは良い指標だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の0.72%。今週は一時0.67%と、昨年10月以 来の低水準をつけていた。

10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.84%。一時は1.89%まで上 昇する場面もあった。3日には一時1.79%と、1年ぶりの低水準をつけ た。

先物市場の動向によると、2016年末までに利上げが実施される確率 は雇用統計を受けて高くなったものの、せいぜい1回止まりとみられて いる。年末までのフェデラルファンド(FF)金利実効レートは 約0.54%と予想されており、前日の0.51%から上昇した。ただ、0.25ポ イントの追加利上げを示唆する水準の0.625%はなお下回っている。

米利上げに対する市場の期待を抑える一因になっているのは根強い 低インフレだ。米金融当局が注目するインフレ指標は2012年以降、目標 の2%に達していない。原油価格の下落は債券市場のインフレ期待指標 を押し下げている。

アバディーン・アセット・マネジメントのシニア債券ポートフォリ オマネジャー、パトリック・マルダリ氏は「市場ではこれから賃金圧力 が高まり始める可能性がある」と指摘。もっとも、「当社ではインフレ が大きく加速していくとの強い確信はない」と述べた。

先物市場は連邦公開市場委員会(FOMC)が12月14日の会合かそ れ以前に利上げを決定する確率を53%として織り込んでいる。前日時点 での確率46%からは高くなったものの、昨年末時点の93%は下回ってい る。この計算は次回利上げ後にFF金利実効レートが新しい誘導目標レ ンジの中央で取引されるとの想定に基づく。

原題:Treasury Two-Year Notes Decline as Wage Growth Boosts Fed Bets (抜粋)

◎NY金:ほぼ変わらず、利上げ警戒で3カ月ぶり高値を離れる

5日のニューヨーク金先物相場はほぼ変わらずで終了。買い安心感 が高まっていた矢先に米金利上昇観測が再び広がった。1月の米雇用統 計では失業率が2008年以来の水準に低下、平均時給は市場予想を上回る 伸びを示し、政策金利引き上げの論拠が強まったと受け取られた。

エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のプレジデ ント、クリス・ギャフニー氏は電話インタビューで、「平均時給が関心 を集めるだろう。米金融当局が注目している数字だからだ」と指摘。 「恐らくまだ3月はないと思うが、今回の統計から判断すると2016年中 に利上げが実施される可能性はある。そのため貴金属は若干売られてい る」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日比ほ ぼ変わらずの1オンス=1157.70ドルで終了。一時は1%安の1145.50ド ルまで下げた。雇用統計発表前は一時1164ドルと、昨年10月28日以来の 高値をつけていた。

原題:Gold’s Surge to Three-Month High Choked Off in Fed-Fears Redux(抜粋)

◎NY原油:続落、週間でもマイナス-長引く供給超過を嫌気

5日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続落し、週間ベースでもマイナス。米 在庫の増加で世界的な供給超過が長引くことが示唆され、原油は買いが 続きにくい状況になっている。1月の米雇用統計で平均時給の伸びが予 想を上回ったことから、米政策金利引き上げの論拠が強まったとの見方 でドルが上昇した。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の シニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「今週発表された在庫統 計は非常に弱気な数字だった」と指摘。「石油輸出国機構(OPEC) 加盟国と非加盟国の間で減産合意を目指すとの臆測が多く流れた。この ほとんどが希望的観測に基づいた発言だったように思われる」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日 比83セント(2.62%)安い1バレル=30.89ドルで終了。週間では8.1% の値下がり。ロンドンICEの北海ブレント4月限はこの日40セント下 げて34.06ドル。週間では2%下げた。

原題:Oil Caps Weekly Drop as Persistent Glut Stymies Price Rally(抜粋)

◎欧州株:5日続落、原油安と米雇用統計で-資源銘柄に売り

5日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は5営 業日続落となった。この日発表された米雇用統計で一部の内容が予想を 下回ったほか、原油相場が上げを消したことが影響した。企業決算を見 極めようとする動きもあり、上下に振れる展開となった。

アルセロール・ミタルが5.5%下げるなど、資源銘柄は総じて安 い。同社は約30億ドルを調達する計画を発表したほか、スペインの自動 車部品メーカーであるゲスタンプの持ち分10億ドル相当も売却すること を明らかにした。原油が上げを消したことを背景に、フランスのトタル とイタリアのENIを中心にエネルギー銘柄が下げた。

一方、自動車銘柄は業種別で最も上昇。特にフィンランドのタイヤ メーカー、ノキアン・レンカートの上げが際立った。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.9%安の325.90で終了。前 週末比では4.8%下げた。原油急落や中国経済に銀行の不良債権増加を めぐる懸念も加わり、同指数は年初来では約11%値下がりしている。

バークレイズのウェルスマネジメント部門投資戦略責任者、ウィリ アム・ホッブス氏(ロンドン在勤)は「消費が上向く証拠が出てくるま で、株式相場は原油と相関する公算が大きく、それはボラティリティを 意味する」と指摘。「企業決算は最悪のシナリオに沿う内容ではない が、ちょっと不安定だ」と付け加えた。

米労働省が発表した非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調 整 済み)は前月比15万1000人増。エコノミスト予想は19万人増だった。失 業率は2008年2月以来の低水準となる4.9%に低下。調査では5%が見 込まれていた。

フランスのBNPパリバは1.5%上昇し、銀行株指数の下げを抑え た。同行は投資銀行部門のコスト削減計画を打ち出した。

スウェーデンのトラックメーカー、ボルボは1.7%上昇。第4四半 期の損益は黒字となった。前年同期は赤字。同国の測量機器メーカー、 ヘキサゴンは4.1%値上がり。第4四半期利益が予想を上回った同社 は、増配の方針を明らかにした。

原題:European Shares Fall as Oil Drops, U.S. Payrolls Miss Forecasts(抜粋)

◎欧州債:イタリア債が週間ベースで下落、独債とのスプレッド拡大

5日の欧州債市場ではイタリア国債のドイツ国債に対する利回り上 乗せ幅(スプレッド)が昨年7月以降の大きさに拡大した。市場混乱で 比較的安全とされるドイツ国債の需要が高まった一方で、イタリアの国 内銀行の不良債権増加懸念が同国債の重しとなった。

インフレ率を2%弱に押し上げようともがく欧州中央銀行 (ECB)が緩和策を拡大するとの観測も、ドイツ国債の支援材料とな った。ドラギ総裁は最近、ECBがすでに前例のない規模の金融緩和を 3月にも追加拡大する準備があることを示唆した。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、イェンス・ ペーター・ソレンセン氏は「世界的に不透明感な状況で、先行きが懸念 されている」と指摘。「イタリア国内にはバッドバンク構想があるが、 銀行セクターの問題がそれで解決するとは実際思われていない。これが イタリア国債への圧力を強めている」とも述べた。

ロンドン時間午後4時42分現在、イタリア10年債利回りは前週末 比15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.56%。同国債 (表面利率2%、2025年12月償還)価格は1.36下げ104.04。同年限のド イツ国債とのスプレッドは17bp拡大の126bpと、拡大幅は昨年7月 以来の大きさとなった。

欧州債の指標とされるドイツ10年利回りは前週末比2bp低下 の0.30%。一時は0.26%と、昨年4月以来の低水準を付けた。2年物利 回りはマイナス0.49%。3日にはマイナス0.502%と、過去最低を記録 した。

原題:Italy-Germany Yield Spread Widens by the Most in Seven Months(抜粋)

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