米国債(5日):2年債が下落、賃金上昇で利上げ観測強まる

更新日時
  • 1月の平均時給は前月比0.5%増、市場予想を上回る伸び
  • インフレの兆しを背景に、2016年の利上げの織り込み進む

5日の米国債市場では2年債相場が下落。米国の賃金の伸びが市場予想を上回ったことから、年内の利上げ観測が強まった。

  米労働省が発表した非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調 整済み)は前月比15万1000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は19万人増だった。平均時給は前月比0.5%増と、伸び率は市場予想の0.3%を上回った。平均時給は前年比では2.5%増。前月は2.7%増と、2009年半ば以来の大幅な伸びを示していた。

  原油価格や世界的な株式相場の下落で米経済成長とインフレ期待が押し下げられるとの懸念は、今回の統計を受けて多少和らいだ。10年債利回りは今週、1年ぶりの低水準を一時つけた。米金融当局が今年想定していた4回の利上げを実施できないのではないかと、市場で疑問が広がったためだ。

  BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「今回はヘッドラインの雇用者数よりも統計の詳細が市場の注目を集めている」と指摘。「平均時給は良かった。賃金がどうなるのか皆関心があった。これは良い指標だ」と述べた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.72%。今週は一時0.67%と、昨年10月以来の低水準をつけていた。

  10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.84%。一時は1.89%まで上昇する場面もあった。3日には一時1.79%と、1年ぶりの低水準をつけた。

  先物市場の動向によると、2016年末までに利上げが実施される確率は雇用統計を受けて高くなったものの、せいぜい1回止まりとみられている。年末までのフェデラルファンド(FF)金利実効レートは約0.54%と予想されており、前日の0.51%から上昇した。ただ、0.25ポイントの追加利上げを示唆する水準の0.625%はなお下回っている。

  米利上げに対する市場の期待を抑える一因になっているのは根強い低インフレだ。米金融当局が注目するインフレ指標は2012年以降、目標の2%に達していない。原油価格の下落は債券市場のインフレ期待指標を押し下げている。

  アバディーン・アセット・マネジメントのシニア債券ポートフォリオマネジャー、パトリック・マルダリ氏は「市場ではこれから賃金圧力が高まり始める可能性がある」と指摘。もっとも、「当社ではインフレが大きく加速していくとの強い確信はない」と述べた。

  先物市場は連邦公開市場委員会(FOMC)が12月14日の会合かそれ以前に利上げを決定する確率を53%として織り込んでいる。前日時点での確率46%からは高くなったものの、昨年末時点の93%は下回っている。この計算は次回利上げ後にFF金利実効レートが新しい誘導目標レンジの中央で取引されるとの想定に基づく。

原題:Treasury Two-Year Notes Decline as Wage Growth Boosts Fed Bets (抜粋)

(更新前の記事は第3段落の利回りについて訂正済みです.)
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