アジアでのジカ熱流行リスクが浮上-過去に散発的に感染例

ジカ熱の感染は中南米以外にも拡大する恐れがある。世界保健機関(WHO)は1日、ジカ熱の中南米での流行に緊急事態を宣言、妊婦の感染と先天性障害との関連性について警告を発した。

  ブラジルではジカウイルスとの関連性が疑われる小頭症の症例が3000件超ある。アジアではまだジカ熱の大きな流行は報告されていないが、近年、感染者が散発的に発生している。ジカウイルスを媒介するネッタイシマカが熱帯性気候の地域に広く生息しているため、アジア各国はジカウイルスを持ったネッタイシマカが旅行者のかばんなどに潜んで持ち込まれた場合、流行発生のリスクにさらされそうだ。

  シンガポール国立大学医学大学院のデュアン・ガブラー教授は、ジカウイルスが少なくとも60年前からアジアに存在しており、これまでインドネシアとタイ、フィリピンで感染例が確認されていると述べた。その上で、恐らくアジアで長年、散発的にヒトへの感染が起きていたが、誤ってデング熱と診断されていた可能性が高いと指摘した。

  香港大学公共衛生学院のベン・カウリング教授は、アジアでは帰国した旅行者がウイルスを持ち込むのを避けることはできないと発言。しかし国内での持続的な感染につながるかどうかは不透明だと述べた。
  

  ニューサウスウェールズ大学の公衆衛生・地域医療学部長を務めるライナ・マッキンタイヤ氏は、予測は難しいものの、主として蚊がウイルスを媒介すると仮定すれば、インフルエンザほど急速には拡大しないはずだと指摘した。

  有名観光地でジカ熱患者が発生した場合、旅行を取りやめる人が増え、航空会社やホテルが打撃を被る可能性がある。世界の旅行業界は既に、中南米でのジカ熱流行の初期の影響を予想している。

  アジアでのジカ熱の爆発的流行はまだ先の話だが、一部の企業は早くもジカ熱に注目し始めている。アジア最大の医薬品メーカー、武田製薬工業はジカ熱のワクチン製造の取り組みにどのように貢献できるかを検討する社内チームを結成した。

原題:Zika Crisis in Latin America Raises Questions on Asia’s Risks(抜粋)

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