【日本株週間展望】下値固め、原油安や円高警戒強い-米金融政策注視

2月2週(8ー12日)の日本株は下値固めの展開となりそうだ。世界経済の減速懸念を背景とした原油価格の下落や為替の円高推移は引き続き波乱要因で、積極的な買いが入りづらい。一方、金融市場の不安定さが続く中、米国金融政策への期待感が相場を下支えする可能性がある。

  第1週の日経平均株価は週間で4%安の1万6819円59銭と反落。日本銀行によるマイナス金利政策の導入を受けた円安で週初こそ上げたものの、原油安や米景気不安を受けたリスク回避姿勢の再燃でドル・円相場がドル安・円高トレンドに逆戻りし、日銀の追加緩和効果を徐々に削ぐ格好で続落した。国内の企業決算で、日立製作所や東芝など失望が相次いだことも投資家心理を冷やした。

  米国では、10日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言がある。マイナス金利導入による株価や為替への影響が短命に終わり、市場は米金融政策へ再び関心を向けている。連邦公開市場委員会(FOMC)は年内4回の利上げを見込むが、市場の見方は1ー2回、3月の利上げもなしというのが大勢だ。イエレン議長が利上げペースの鈍化、あるいは利下げもあり得るなどのハト派的見解を示すかどうかが鍵になる。

  このほか、海外では12日に1月の米小売売上高、国内では8日に昨年12月の国際収支や1月の景気ウオッチャー調査の発表が予定される。国内の決算発表は半数以上が終了、大和証券の調べで主要事業会社の16年3月期税引利益予想は4%増(4日時点)と、昨年12月時点の14%から減速している。現状の業績動向を勘案した日経平均PERの15倍水準は1万7385円、14倍は1万6226円。投資家が先行きを楽観視すれば15倍、悲観すれば14倍に近づきそうだ。

≪市場関係者の見方≫
●JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジスト
  弱含みを想定。米経済指標はばらつきはあるが、力強さがない。ドル高と原油安の影響で企業業績が伸びず、投資を減らすとともに雇用にスローダウンの兆しが見えてもおかしくない。米景気の状況やボラティリティの高さから、ことしは為替の円高要素が残る。実体経済がはっきりすることや中国金融当局のスタンスが明らかにならなければ、株価が大きく上がる状況ではない。ただ、悲観が行き過ぎた面もあり、日経平均1万6000円の接近場面では買い戻しも入る。

●いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員
  日経平均1万7000円台を固めながら、反転の兆しを待つ週となりそうだ。日銀のマイナス金利導入の効果はよく分からない。ただ、行動を起こしたことは、中央銀行の国際協調体制ができている可能性が高い。現在の相場を変える本命は米国の利上げ停止。米経済にダウンサイドリスクが出ており、3月の利上げはないだろう。イエレンFRB議長の議会証言でマーケットへのフレンドリーさを確認すれば、相場は反転することも考えられる。

●楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリスト
  落ち着きどころを探る展開だろう。中国市場が休場、国内企業決算も峠を越え、小売売上高や金融政策など米動向に注目する動きが中心になる。イエレンFRB議長の発言で、各国の金融政策の足並みがそろっていくかどうかが焦点だ。マイナス金利導入で安全志向の強い銀行の資金が米国債などに向かい、米金利が低下した影響や世界景気悪化の中でのリスクオフから円は買われやすい。今の状況が続けば、企業業績に楽観的になれない。チャート分析からは二番底を付ける可能性もある。

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