トヨタ自動車は決算発表で今期(2016年3月期)営業利益予想を据え置いたが、9カ月実績でみた進ちょく状況は市場が予想する年間3兆円の達成に向けて進んでいる。中国で生産過剰抑制の徹底などが効果を上げ始め、収益性が上がっている。

  今期の営業利益2兆8000億円予想に対しては9カ月実績で82%を達成済みで、このペースを単純に年換算すれば3兆円超と、市場予想近くになる。5日発表の決算資料によると、純利益予想は従来の2兆2500億円から前期比4.4%増の2兆2700億円に見直した。営業利益とともに、売上高27兆5000億円の予想は据え置いた。

  トヨタの大竹哲也常務は決算会見で中国について、生産過剰の抑制などにより収益性が上がってきていると話した。米国については、ガソリン安などが自動車市場に追い風となっており、堅調な推移を見込んでいる。米国販売は収益率の高いトラックやSUVの構成比率が6割近くになっており、工場稼働率を上げたり日本からの輸出を増やすなどで対応しているという。米国の市場規模予想は前年の横ばいの1750万台程度と述べた。

  今期業績予想には、愛知製鋼の工場事故による部品不足で発生した2月の国内工場の稼働停止の影響は織り込んでいない。ブルームバーグが集計したアナリスト25人の今期純利益予想の平均は2兆3943億円、同26人の営業利益予想の平均が3兆705億円。

  今期予想では、海外を中心に販売台数計画を引き上げ、対ドルの円安進行による為替変動のプラス影響を見込む。ダイハツ工業、日野自動車を含むグループ世界販売計画は小売りベースで従来の1000万台から1005万台に修正した。為替前提は対ドルで従来の118円から120円に、対ユーロで同133円から132円にそれぞれ見直した。

   昨年10-12月の純利益は前年同期比4.7%増の6280億円だった。営業利益は同5.3%減の7223億円、売上高が同2.4%増の7兆3399億円となった。ブルームバーグが集計したアナリスト9人の10-12月の純利益予想の平均6199億円を上回った。

15日から予定通り稼を再開

  グループの愛知製鋼・工場事故による部品不足で、トヨタは国内完成車工場を8ー13日に稼働停止にすると発表していた。15日からは予定通り稼働を再開すると発表。大竹氏は現時点で影響の見積もりが困難とした。代替部品、物流などでコスト発生の可能性があり、精査していく方針だ。早川茂専務は会見で、再開後は休日出勤や残業も通常通りとしたほか、仕入れ先に特別な費用が発生する場合、補償も検討すると述べた。

  タカタ製エアバッグ搭載車のリコールが拡大している問題について、大竹氏は品質費用を個別に開示しないと述べた上で、品質費用発生による業績への影響はないと話した。米国で若者向けに展開してきたブランド「サイオン」からの撤退に伴うコストに関して、早川氏は「まだ分からない」と述べるにとどめた。

  トヨタは昨年のグループ世界販売で前年比0.8%減の1015万1000台となり、独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラルモーターズ(GM)を上回り、首位の座を維持した。トヨタは1月29日、今夏をめどにダイハツ工業を完全子会社化すると発表、ダイハツの力を借りて小型車事業を強化する。

  国内大手自動車メーカーの決算では、ホンダが1月29日に発表し、10ー12月の純利益が大幅減益となった。品質関連費用を含む販管費が増加し、為替影響も減益要因だった。日産自動車は10日に発表予定。

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