日本株は4日続落、円高や業績下向き警戒-自動車や金融、不動産安い

更新日時

5日の東京株式相場は4日続落。米国景気の不透明感を背景に為替市場で円高が進み、輸出関連の自動車やゴム製品株、マイナス金利政策の悪影響や国内外金利の低下に対する懸念で銀行、保険など金融株が安い。不動産株の下げも目立ち、東芝イビデン丸井グループなど業績失望銘柄への売り圧力も強まった。

  TOPIXの終値は前日比19.84ポイント(1.4%)安の1368.97、日経平均株価は225円40銭(1.3%)安の1万6819円59銭。

  新光投信の宮部大介ストラテジストは、「以前は円がドルに対し買われる状況だったが、ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言以降はユーロも円も上昇している。ことしは1回も利上げできないとの見方すら出て、昨年末までのドル高シナリオが修正される動き」と指摘した。円高は日本株にとってマイナス効果があり、「アベノミクスで円安・ドル高・株高シナリオが3年続いていたが、足元はやや修正の動きが入っている」と言う。

  4日のニューヨーク為替市場ではユーロと円が上昇。円は対ドルで一時116円53銭と、1月21日以来のドル安・円高水準に振れた。4日の米10年債利回りは低下。ブルームバーグがまとめた市場関係者の予測では、今回の引き締めサイクルにおける米政策金利の最高水準は2.875%と、昨年7月調査の3.375%から下方修正された。米金利予想の低下に伴い、為替市場では円高方向に振れやすくなっている。

  海外の流れを引き継ぎ、きょうも116円台後半と円は高止まり。国内債券市場では、10年債や2年債利回りが過去最低を更新した。5日の米国市場では、1月の米雇用統計が発表予定。非農業部門雇用者数は市場予想で前月比19万人増の見込み、昨年12月は29万2000人増だった。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「これまでは米景気が回復している中、そのペースが期待ほどではないとの見方があったが、現在は米景気が下向きになってきたとの懸念が市場に出ているのかもしれない」と指摘。雇用統計がコンセンサス通りなら景気後退懸念が打ち消され、来週は市場が落ち着く可能性があるとしながらも、米金融政策は読みづらいとしていた。

予想EPSが低下傾向

  為替、米経済動向への懸念に加え、国内企業業績の下方修正傾向も日本株のマイナス要因だ。日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、昨年12月調査)によると、大企業・製造業の2015年度下期の想定為替レートは1ドル=118円で、現状の為替水準はこれより円高方向にある。急落した東芝は4日、16年3月期純損失見通しを7100億円と従来の5500億円から下方修正した。パソコン市場などの減速で16年3月期の営業利益計画を下方修正したイビデン、15年4-12月期営業利益が前年同期比0.8%減だった丸井G、16年3月期業績計画を減額したネットワンシステムズも安い。

  いちよし証券の大塚俊一投資情報部長は、日本株の戻りの鈍さは「業績下方修正の多さと為替の1ドル=116円台の2つが影響している」と分析。企業業績は、「資源絡みの在庫評価減や減損損失、事業構造改革に絡む特別損失で1株利益は低下してきている」と話した。

  東証1部の業種別33指数は不動産やその他金融、銀行、保険、建設、空運、証券・商品先物取引、小売、輸送用機器、ゴムなど24業種が下落。石油・石炭製品や卸売、非鉄金属、鉄鋼、鉱業、精密機器など9業種は上昇。東証1部の売買高は33億8965万株、売買代金は2兆8946億円。値上がり銘柄数は359、値下がりは1515。

  売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3メガバンクが売られ、富士重工業、マツダ、三菱地所、住友不動産、オリックス、TDK、大和ハウス工業、日東電工の下げも目立った。半面、経営再建をめぐる台湾の鴻海精密工業との交渉動向が注視されているシャープ、自社株買いを行うテルモ、野村証券が投資判断を上げたニコンは高い。決算内容好感のスクウェア・エニックス・ホールディングスやヤマハ、グリー、新中期計画で株主還元の拡充に言及した丸紅は急伸。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE