シャープ:機構、鴻海と構造改革で協議、1カ月めどに契約締結

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  • 両社並列、鴻海に優先交渉権与えていない-高橋社長
  • 10-12月営業損益は黒字予想に反して38億円の赤字

経営再建中のシャープは4日、液晶事業の構造改革など再建に向けた取り組みで、政府系ファンドの産業革新機構と台湾の鴻海精密工業の2社に絞って協議を進めていることを明らかにした。今後1カ月をめどに契約締結できるよう協議する。

  高橋興三社長は同日の記者会見で、鴻海に「優先権を与えたわけではなく、鴻海が優位なわけではない」と述べた。鴻海に対しては提案の分析などに「リソースをたくさん割いている」としたが、それが優先交渉権を与えることにはならず「両社並列」だとした。これに先立ちNHKは鴻海に優先交渉権を与え再建を目指す方針と報じていた

Kozo Takahashi arrives for a news conference in Tokyo, on Thursday, Feb. 4.

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  シャープの経営危機はテレビ不振などで2012年3月期に巨額赤字を計上したことで表面化し、前期(15年3月期)も2223億円の純損失を計上した。シャープは資産売却や人員削減によって立て直しを図ってきたが、液晶事業の悪化により外部支援が不可避の状況となっている。

  関係者によると、シャープは4日の取締役会で再建の方向性を決める可能性があるとみられていた。高橋社長は会見で、どちらと契約するにしても経営陣が辞めることはないと言明した。また、両社に「シャープの分解はマイナスで、一体性を保ちながらやっていきたい」と要望し、両社から理解を得たとした。要望には雇用の最大化や技術の流出防止も含まれていると述べた。

  菅義偉官房長官は同日の記者会見で、技術や雇用への配慮、企業としての一体性維持などを条件として交渉していると聞いているとした上で、今後シャープが適切に判断すると語った。

経営陣辞めず

  シャープは1月30日、機構と鴻海の訪問を受けている。機構の志賀俊之会長(日産自動車副会長)は同月25日、成長のため3000億円程度が必要だと記者団に説明。また機構の再建案では液晶事業を切り離して赤字を解消した上で、他の事業についても成長戦略を描くと述べた。

  一方、鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)会長は1月31日、鴻海案は競合に比べて優れており勝つ自信があると台北で語った。関係者によれば、鴻海案の支援総額は約6600億円。

  シャープは昨年5月に発表した中期経営計画で18年3月期に営業利益1200億円、営業利益率4%とする目標を掲げた。ただ中国市場向けスマートフォン用中小型液晶パネルの販売減などで昨年10月には今期の営業利益予想を下方修正。同9月末の有利子負債は7587億円に上り、今年3月には最大5100億円のシンジケートローン(協調融資)の期限を迎える。

  シャープは主力取引行のみずほ銀行と三菱東京 UFJ銀行に合計2000億円分の優先株を発行し、調達した資金で一部債務を返済した。両行からは取締役も受け入れているが、シャープは中計初年度からの修正を余儀なくされた。

通期予想維持

  同時に発表した2015年10-12月期連結純損益は247億円の赤字となり、市場予想を下回った。アナリスト5人の予想平均は80億円の赤字だった。営業損益は38億円の赤字(市場予想110億円の黒字)、売上高は6633億円(同6952億円)。営業利益と売上高の通期予想に変更はなく、純利益については検討中の構造改革が具体化し、合理的に算定できるようになった時点で公表するとした。

  発表資料によると、10-12月期はコンシューマーエレクトロニクス、エネルギーソリューション、ディスプレイデバイスなどの業績不振が目立った。

(第6段落以降に詳細情報を追加しました.)
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