日本株は3日続落、円高再燃と業績警戒-日立や武田薬、小売売られる

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4日の東京株式相場は3日続落。米国の景気減速懸念を背景に為替市場でドル安・円高の動きが再燃する中、決算内容が失望された日立製作所パナソニックなど輸出関連株が下げ、武田薬品工業など医薬品株も売られた。小売やサービス、食料品株など内需セクターも安い。

  TOPIXの終値は前日比17.46ポイント(1.2%)安の1388.81、日経平均株価は146円26銭(0.9%)安の1万7044円99銭。

  みずほ投信投資顧問の清水毅チーフストラテジストは、「米景気の不透明感が払拭(ふっしょく)できないうちは、マイナス金利導入があっても為替は厳しい」と言う。決算発表が相次ぐ中で、「企業収益も株を買っていく材料にはならず、しばらく値動きは荒く、日柄がかかる可能性がある」との見方を示した。

  3日のニューヨーク為替市場ではドルが下落。米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況指数が53.5と前月の55.8から低下し、2014年2月以来の低水準となった。市場予想は55.1。継続的な米利上げ観測が後退し、ドル・円は一時1ドル=117円6銭と1月21日以来のドル安・円高水準に振れた。この日の東京市場でも117円60銭台から118円20銭台で推移し、日本銀行がマイナス金利政策の導入を発表する前の状況に逆戻りしている。

  楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、「年初から中国不安、原油安、為替の3点セットで株価は下げてきたが、それらへの懸念は変わっておらず、振り出しに戻った」との認識だ。日銀はマイナス金利導入で政策の選択肢が広がったとしているものの、「サプライズ型を重視するあまり、黒田総裁の発言に対する市場の信頼性がなくなった。日銀がマーケットに与える影響力は今後小さくなるかもしれない」と警戒する。

  企業業績の不透明感も引き続き株価の重しだ。社会・産業システムや情報・通信システムの収益悪化から、日立は16年3月期の純利益見通しを下方修正。パナソニクは、中国景気の減速などを理由に16年3月期の売上高と営業利益計画を減額した。武田薬は、16年3月期の営業利益計画を増額したが、SMBC日興証券では修正後の計画は物足りないとした。3社の株価はいずれも下落。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「企業業績は想定通りに悪い。特に主要製造業は新興国を中心とする世界経済の停滞が響いている」と分析する。

資源関連は堅調、日経平均一時プラス場面も

  もっとも、前日のニューヨーク原油市況が8%高の1バレル=32.28ドルと急反発したことを受け、鉱業や石油、非鉄金属など資源株、鉄鋼や海運株は上げ、相場全般を下支えした。日経平均は朝方に一時249円安の1万6941円と4営業日ぶりに1万7000円を割り込んだ後、午後は小幅高に転じる場面もあった。「1バレル=30ドル以下は売り過ぎ。世界経済の拡大からいずれ需給は先行きバランスし、イランの増産分は吸収できる時期がくる」と、みずほ投信の清水氏は話していた。

  東証1部の業種別33指数は小売、水産・農林、保険、医薬品、ゴム製品、サービス、輸送用機器、精密機器、食料品など25業種が下落。非鉄や鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品、鉄鋼、海運など8業種は上昇。売買高は31億2841万株、売買代金は2兆8587億円。値上がり銘柄数は322、値下がりは1541。

  売買代金上位ではトヨタ自動車やファーストリテイリング、富士重工業、三井不動産、小野薬品工業、クボタ、JR東日本、東京海上ホールディングス、ローソン、ユニ・チャームが安い。半面、台湾の鴻海精密工業の支援で再建を図る方針を決めた、とNHKが報じたシャープは午後の取引で急伸。ソフトバンクグループや任天堂、キーエンス、三菱商事、ミネベア、三菱ケミカルホールディングスは上げ、減損規模はサプライズだが、配当の維持などは株価動向にプラスの面があるとみずほ証券が指摘したJXホールディングスも高い。

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