債券上昇、流動性供給終了で買い-マイナス金利適用範囲めぐる観測も

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  • 先物は15銭高の150円92銭で終了、夜間取引では過去最高値
  • 新発5年債利回りはマイナス0.155%に低下、過去最低を更新

債券相場は上昇。朝方は、日銀がマイナス金利を適用する当座預金の当初試算を発表したことを受け、前日の夜間取引で先物が売られた流れを引き継いだ。その後は流動性供給入札を無事に終えたことや中短期債の堅調推移などを背景に買いが優勢に転じた。

  4日の長期国債先物市場で中心限月の3月物は、前日比22銭安の150円55銭で取引を開始した。直後から水準を切り上げ、午後に入ると上げ幅を拡大。結局は15銭高の150円92銭で高値引け。その後の夜間取引では150円97銭まで上昇し、3日に付けたこれまでの最高値150円93銭を上回った。

  DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、「寄り付きは、昨日発表された日銀のマイナス金利の適用部分の試算で10兆~30兆円で推移するとされたことで、適用部分が少ないことが嫌気され、これまでマイナス金利を意識して買い進まれた部分の調整で売りが先行した」と指摘。一方で、「少ないことでかえって日銀オペの札割れリスクが軽減され、マイナス金利と80兆円ペースの量の拡大がしばらくは両立できることが債券市場にとって安心材料となって、買い戻されている」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2.5ベーシスポイント(bp)高い0.085%で開始。その後は水準を切り下げ、0.05%を付けている。

  新発2年物の361回債利回りは1bp高いマイナス0.175%で始まり、その後はマイナス0.18%で推移した。新発5年物の126回債利回りは3.5bp高いマイナス0.105%で開始後、マイナス0.155%を付け、過去最低を更新した。日銀が今日実施した固定金利方式の共通担保資金供給オペで、8000億円の予定額に対して初の応札ゼロとなり、短国買いオペ拡大につながるとの観測が出たことを受けた。

  新発20年物の155回債利回りは1.5bp高い0.795%で開始し、その後は0.77%まで下げた。新発30年物の49回債利回りは0.5bp低い1.065%で開始後、いったんは1.085%と1月29日以来の高水準を付けた後、1.07%に戻している。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「昨日の日銀による新制度説明で、当座預金残高でマイナス0.1%適用が最初は意外と小さいとの見方や流動性供給入札を控えて弱く始まった。その後は流動性供給入札結果が無難な水準で決まったので、午後は買い安心感が出ている」と話した。ただ、「来週に30年債入札があるので、どんどん買い進まれる感じではない」との見方を示した。

  財務省が午後に発表した流動性供給入札(発行額3000億円)の結果によると、募入最大利回り較差がマイナス0.002%、募入平均利回り較差がマイナス0.007%となった。今回は残存期間15.5年超から39年未満の国債が対象銘柄。投資家需要の強弱を示す応札倍率は2.79倍と、前回の同年限の3.95倍から低下した。

マイナス金利適用対象

  日銀は3日夕、金融機関が日銀にお金を預ける当座預金の一部に16日から付与するマイナス金利0.1%の対象について、当初は約10兆円になるとの試算を公表した。3カ月後には約30兆円としている。こうした発表を受けて、前日の夜間取引では先物3月物が一時150円51銭まで下落する場面があった。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「日銀マイナス金利の適用範囲が一部の期待ほど大きくはなかった」と指摘。「日銀が想定するマイナス金利の適用範囲が続くならば、10年債利回りの0.0%の水準は相当に強い抵抗線となり、仮に追加利下げがあっても普通預金金利がマイナスに引き下げられない限り、機能するのではないか」と言う。

  10年債利回り推移について、DIAMの山崎氏は、「マイナス適用部分が小さいということで、短期的にマイナスに落ち込む可能性は小さくなってきており、当面は0.0-0.1%でのレンジを形成する可能性が高い」と分析。超長期については、「9日の30年債入札や16日の20年債入札を控えた水準調整をしながら、徐々にフラット化の方向に向かうと考えている」と話した。

  3日の米国債相場は下落。米10年物国債利回りは前日比4bp高い1.89%程度で引けた。一時は1.79%と1年ぶり低水準を付けたが、原油先物相場の反発や米株式相場の上昇を背景に次第に売りが優勢となった。

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