JX:今期3200億円の特損、北海油田やチリ銅鉱山で減損計上

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  • 売却、事業撤退などで800億円の関連損失-北海油田中心に
  • カセロネス銅鉱山の安定操業にコンサル活用、抜本策5月までに策定

JXホールディングスは3日、今期(2016年3月期)に3200億円の特別損失を計上する見通しだと発表した。資源価格の下落によって原油や銅などの上流事業で2350億円の減損損失のほか、原油価格が高い時期に取得した英国北海油田開発事業などからの撤退に伴う損失も計上する。

  これにより、JXは今期の純損益予想を3300億円の赤字(従来予想は450億円の黒字)に下方修正。赤字額はブルームバーグが集計したアナリスト8人の予想平均値369億円を上回る。油価下落でこれまで800億円と見込んでいた今期の在庫評価損は2650億円に拡大する。

  大田勝幸取締役は3日の決算会見で、「資源価格が想定より大幅に下落し、非常に厳しい決算内容になった」と述べた。同社は、今期のドバイ原油の平均価格見通しを従来の1バレル=53ドルから45ドルに引き下げた。ブルームバーグのデータによると、アジアの石油精製会社の指標となっているドバイ原油価格の期初から2日までの平均は48.32ドルとなっている。

  減損損失を計上するのは英国北海エリアを中心とする石油・天然ガス開発事業やチリのカセロネス銅鉱山事業。大田取締役によると「北海は権益取得が比較的新しい時期が多くてコストが高い」ことから、この地域での権益売却や撤退に伴う損失800億円も計上する。3月末をめどに売却先との交渉をまとめる方針で、損失額は「大きくぶれない」との見通しを示した。

銅鉱山にコンサル活用

  14年5月に生産を開始したカセロネス銅鉱山のフル稼働時期は、来月に再度遅れる見通し。生産設備の課題は克服したものの、ベルトコンベアの故障やパイプの詰まりなどのトラブルで安定操業には至っておらず、稼働率は1月時点で7割にとどまっている。大田取締役は「外部コンサルの活用など、目先の対応だけでなくて恒久的な予防措置や生産性向上措置を詰めていく」とし、今期の決算を発表する5月までに対応策を明らかにする方針を示した。

  決算発表後にJXの株価は上昇し、前日比3.4%高の457.7円で3日の取引を終えた。大和証券の西川周作アナリストは、決算発表で悪材料が出尽くしたことが上昇につながったと指摘した。出光興産の株価もJXの決算発表後に一時同5.8%高となった。西川氏は、JX株の上昇による連想買いが入ったとみている。

  出光は2日、今期の純損益予想を130億円の赤字(従来予想は280億円の黒字)に修正すると発表。在庫評価損が従来予想の430億円から800億円に膨らみ、北海やベトナム沖の開発事業で243億円の減損損失を計上した。

  出光の鷺島敏明経理部長は2日の会見で、現状の原油油価の水準について「新規投資が進まずサステナブルでない」と述べ、「底を打って一定のレベルまで回復していく」との見通しを示した。海外の資源事業開発ついては昨年12月時点で再評価を実施しており、現状の原油、石炭の価格では追加減損の可能性はないという。

(会見での発言を追加して記事を更新します.)
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