米国債:反発、10年債利回りは4月以来の低水準-株・原油安で

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  • 原油安は世界経済がさらに軟化する「兆候と原因の両方」-ミスラ氏
  • 欧米で株価が下落、経済見通しが悪化し国債買いの要因に

2日の米国債相場は反発。10年債利回りはほぼ10カ月ぶりの低水準となった。株式相場と原油価格が再び下落基調を強めたために世界経済の見通しが悪化、安全な逃避先を求める動きから国債に買いが入った。リスク資産から資金が大量に流出し、米国債の年初からのリターンは2.8%となっている。

  信頼感の低下を受け、金融当局が予測する今年の利上げペースへの懐疑的な見方が強まった。デリバティブ(金融派生商品)市場では今年の利上げはない可能性を織り込みつつあるが、金融政策当局者が昨年12月に示した予想中央値は今年4回の利上げを見込んでいる。

  野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルベス氏は「利上げは可能だがそれほど多くはできないと長期金利は示唆している」と述べた。  

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在の10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.85%。同年債(表面利率2.25%、償還2025年11月)価格は30/32高の103 19/32。

  TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者、プリヤ・ミスラ氏は石油株とともに銀行株も下げたことを指摘。エネルギー安が世界経済に長期的な影響を及ぼすとの懸念が強まっていることを示唆している可能性があると述べた。

  さらに「原油が安値を付ければ、米国および世界経済がさらに軟化する兆候と原因の両方となる。単なるリスク回避でなく、米経済成長への懸念となる」との見方を示した。

  シティグループの経済サプライズ指数によると、米経済指標は過去8カ月で最も大きく予想を下回っている。

  2年債と10年債の利回り差は2008年1月以来の最小に縮小した。野村のゴンキャルベス氏はこれについて「不吉な」兆候だと指摘。利回り曲線は米当局の12月の利上げが間違いだったことを示唆していると、同氏は述べた。

  ブルームバーグがまとめた金利先物データによると、年内の利上げ確率は47%として織り込まれている。昨年末の時点では93%だった。この算出は次の利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな目標レンジの中央になるとの仮定に基づく。

  三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「市場は神経質になってきた。慌てて米国債市場に資金を移し始めている」と述べた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は1日、最近の金融市場の混乱や中国をめぐる不透明感が米国経済にどの程度影響を及ぼすかの判断はあまりにも難しく、米金融政策当局者は次の行動を決められないとの見解を示した。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は2日、最近の金融混乱は予期されていたものであり、追加利上げを先延ばしする理由にはならないとの認識を示した。

  世界の経済・物価見通しの悪化に伴い、エコノミストの米国債利回り見通しは低下している。ブルームバーグが実施した調査では年末時点の10年債利回りの予測は平均で2.69%。6カ月前は3.2%前後だった。両方とも現在の水準を上回っている。

原題:Treasury Yields Tumble to Lowest Since April as Oil Resumes Drop(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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