【インサイト】UBSの「悲惨な」四半期、戦略の間違い意味せず

  • 10-12月期はウェルスマネジメントと投資銀の両方で減益
  • ウェルスマネジメント部門からは顧客資金が純流出

スイスの銀行UBSグループの2015年10-12月(第4四半期)の決算内容は、頑丈な船も金融市場の嵐の中では打ちのめされることを示す例だった。

  投資銀行部門とウェルスマネジメント部門の両方が減益になったことを受けて株価は1年ぶり安値を付けた。同業他社に比べて割高だった株価のバリュエーションにも疑問符が付いた。

  UBSは金融危機後にビジネスモデル転換を図る欧州銀のお手本だった。同行は債券事業を大幅に縮小しウェルスマネジメントを中核に据えるモデルへと12年の時点で決然とかじを切った。おかげで資本が強化され、配当増加の期待を投資家に持たせることができた。

  投資家はこれを歓迎し、UBS株の過去3年の投資リターンは13%と、同業他社のマイナス4%と好対照を成した。株価は1株当たり有形純資産額の1.18倍と、同業グループの0.98倍を上回る。

  しかし第4四半期決算については純利益が市場予想を上回ったことも、特別配当の約束も投資家の目に入らなかった。セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)の戦略の柱であるウェルスマネジメント事業が大きな失望をもたらしたからだ。営業利益は2年ぶり低水準、顧客資金も純流出となった。

  投資銀行もあまり救いにならなかった。縮小してきた同事業の中で株式関連には注力してきたことが明るさをもたらすと考えられていたが、株式トレーディング収入は前年同期に比べ19%減少した。

  それでも、資本の厚みと配当余力という点でUBSにはまだ強みがある。これらは銀行株のバリュエーションを動かす2大要素だ。銀行規則「バーゼル3」に基づくコア・ティア1自己資本比率は14.5%と7-9月(第3四半期)に比べ上昇し、たいていの欧州銀を上回る。同行は自己資本比率が13%を上回っている限り、利益の50%を株主に還元するとしているので、余裕がある。株価と来年の利益予想に照らした同行株の配当性向は7.2%でセクター平均の6.5%より高い。

  そういうわけで、2日の決算が失望される内容だったとしても、UBSの再編戦略はなお実を結んでいるし、苦戦する同業他社よりも投資家の期待に応える余力があることは確かだ。

原題:UBS’s Miserable Quarter Doesn’t Mean Strategy is Wrong: Gadfly(抜粋)

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