長期金利が最低更新、株安や日銀買いオペ受け-低下余地あるとの見方

更新日時
  • 先物は21銭高の150円77銭で終了、一時150円93銭と最高値更新
  • 日銀の長期国債買い入れオペの結果はそこそこ強かったとの指摘

債券相場は上昇。長期金利のほか、新発2年債や5年債利回りが過去最低を付け、先物は最高値を更新した。米国債利回りの低下や国内株式相場の下落に加えて、日本銀行の長期国債買い入れオペ実施を背景に買いが優勢だった。

  3日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低い0.065%で開始。その後は水準を切り下げ、一時0.045%と、1日に付けた過去最低の0.05%を下回った。いったんは0.065%まで売られた後、0.06%に戻したが、再び0.065%を付けている。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「原油安や米株安、米金利低下を受けて買いが優勢。短期的には10年債利回りは0.0-0.1%のレンジで推移し、場合によってはマイナスになることもあるという見方でいる」と話した。

  新発2年物の361回債利回りは一時マイナス0.19%、新発5年物の126回債利回りはマイナス0.135%まで下げ、いずれも1日に付けた過去最低を更新している。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「朝方から株価が弱かったことなどから押し目買いが入り、午前は相場が強くなった。日銀の国債買い入れオペもそこそこ強かった」と指摘。午後に入って、「やや売りが出てボラティリティが高まったが、急激に金利が上昇していく局面ではない」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月の3月物は、前日比14銭高の150円70銭で開始。午前10時10分の日銀買いオペ通知後に上げ幅を拡大し、一時150円93銭と、前日の夜間取引で記録したこれまでの最高値の150円80銭を上回った。午後に入って高値警戒感からやや伸び悩んだが、結局は21銭高の150円77銭で引けた。 

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀の追加緩和でも世界の金融市場は落ち着かず、米債利回りがやや驚きの水準まで低下したため買いがしっかり。10年債がマイナス金利になれば、誰が買うのかと思うが、今日も日銀買いオペはたんたんと実施され、まだ金利の低下余地はあるだろう」と指摘した。

日銀国債買い入れ

  日銀が今日実施した今月2回目の長期国債買い入れオペ(総額8900億円)の結果によると、残存期間5年超10年以下の応札倍率は前回から低下した。一方、10年超25年以下、25年超はやや上昇した。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、オペ結果について、落札利回り格差の水準から見て市場実勢より低く決まったと指摘。「超長期や長期ゾーンともにしっかりだった。長期金利は今後も徐々に水準を切り下げそう。売られたとしても0.15%がめどになり、マイナス圏まで達する可能性がある」と話した。

  日銀の黒田東彦総裁は3日、都内の講演で、「実際、越えることが不可能と思われていた金利のゼロ制約の壁は、日銀を含む中央銀行の知恵と実践の中で乗り越えられようとしている。追加緩和の手段に限りはない」と発言。さらに「日銀は今後とも、金融政策手段のイノベ ーションに取り組んでいく」と語った。

  JPモルガン証の山脇氏は、黒田総裁発言に関して、「前週末にマイナス金利政策の枠組みを決めたが、積極的にやっていくことをアピールした」と述べた。

  2日の米国債相場は大幅上昇。米10年物国債利回りは前日比10bp低い1.84%程度と、昨年4月以来の低水準で引けた。原油価格と株式相場が再び下落基調を強めたために世界経済の見通しが悪化し、安全な逃避先を求める動きから国債に買いが入った。この日の東京株式相場は続落。日経平均株価は前日比559円43銭安の1万7191円25銭で終えた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「足元、米国の景気後退リスクがやや懸念されている。歴史的に低金利に米国もなってきている。その影響は、日本の長期金利にも響いてくる。目先1カ月は投資家のレンジ感が定まらない間は値動きの荒い展開を予想している。結局、10年債はマイナスにはならず、落ち着く水準は0-0.2%とみている」と述べた。 

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