世耕官房副長官:「最後の手段ではない」-マイナス金利導入

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  • 今後も量的・質的緩和とマイナス金利の「3点セット」で政策を推進
  • 「銀行経営を直撃することない」、金融機関は「積極的に投融資を」

世耕弘成官房副長官は、日本銀行が初のマイナス金利導入を決定したことについて、「これが最後の手段ではない」との認識を明らかにした。2日、ブルームバーグのインタビューで語った。

  世耕氏は、日銀の金融緩和の政策手段が限界に近づいているとの見方については「そんなことはない」と述べた。諸外国の中央銀行では「もっと大幅なマイナス金利を導入しているところもある」と語った。日銀は「マイナス金利だけにこれから頼っていく訳ではない」とも話し、今後も量的・質的金融緩和とマイナス金利の「3点セット」による金融政策を進めていくとの見方も示した。

  日銀は1月29日の金融政策決定会合で、0.1%のマイナス金利導入を決定したほか、2%物価目標の達成時期を「2017年度前半ごろ」に後ずれさせた。この1年で、達成時期の先送りは3回目だが、世耕氏は、「原油のここまでの下落は想定できなかったわけだから、仕方ない」と発言。さらに、「しっかりと目標を堅持しながら、そのための手を打っているわけだから、何も心配していない」と語った。

影響

  ドル・円相場は日銀がマイナス金利の導入を決める前は1ドル=118円台だった。発表後は一時121円69銭をつけた。2日午後5時40分現在は120円台後半で推移している。世耕氏は、マイナス金利導入の狙いは「あくまでも物価目標達成のための手段」であり、「為替のためにやっているのではない」と述べた。

  銀行株も一斉に下げた。世耕氏は、マイナス金利の適用範囲は限られており、「銀行経営を直撃するようなことはない」と話した。「銀行が積極的に投融資をすることがいま日本経済に求められている」とし、「投資や融資をするからにはリターンもあるわけだから、そういう形でお金が世の中に回っていって、銀行も収益力を高めていくということに期待したい」と語った。

  収益悪化を防ぐため、金融機関による預金金利の引き下げの動きが広がり始めていることについて世耕氏は、金融機関が日銀に入れている預金にも「一定の残高まではちゃんと金利が付いている」と話す。「銀行がきちんとアクションをとっていけば、一般の預金者に影響が及ぶという話ではない」と話し、「貸し出しとか投資とか、そういった形で積極的に金融機関としての役割を果たしていくと言うことがマイナス金利への正しい対応」と求めた。

参院選

  世耕氏は1962年11月生まれの53歳。98年の参院和歌山補選で初当選。現在4期目。安倍晋三首相と近く、2006年から07年の第1次政権で首相補佐官、12年12月の第2次内閣発足以降は官房副長官として支えている。

  世耕氏は、今夏の参院選について、「憲法改正を争点にするかというと、それはそうではない」と発言。「憲法改正は自民党が結党以来ずっと選挙の公約にしている。それと同じことを今回の参院選挙でもやるということ」と説明した。さらに、「安倍政権にこのまま、今やっている政策を続けてほしいかどうか、それが問われている選挙。それが唯一の争点だ」との考えも示した。

  安倍首相は憲法改正を参院選の争点に据える考えを示してきた。1月4日の年頭会見で「これまで同様、参院選挙でしっかりと訴えていく」と発言。10日に放送されたNHKの番組「日曜討論」で、自民、公明両党に加えて「おおさか維新の会」など「改憲に前向きな党」と参院で「3分の2を構成していきたい」と述べ、国会の改憲発議に必要な3分の2の勢力を参院で確保したい考えを表明している。

  世耕氏は、安倍首相の一連の発言について、「結果として、民主党の中の人を含めて、憲法改正に賛成の人が3分の2集まれば憲法改正はやっていけるという趣旨で言っている」と解説。まだ議論は煮詰まっていないとして、「どういう改正をしていくかということは、選挙が終わった後、落ち着いた環境で、衆参に憲法審査会という議論の場もあるから、そういうところで議論をしていく」と話した。

(第7、8、9、10段落を追加します.)
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