米国債:反落、年初からの上げは行き過ぎとの見方で

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  • RSIは国債価格の下落を示唆
  • 米製造業活動は4カ月連続で縮小

1日の米国債相場は反落。10年債利回りは昨年10月以来の低水準から上昇した。過去最高の滑り出しとなった年初からの相場上昇は行き過ぎではないかとの見方から、売りが出た。

  先週は日本銀行がマイナス金利の導入に踏み切った後、世界的に国債利回りが低下した。ブルームバーグがまとめたデータによると、米10年債の相対力指数(RSI、期間14日)は先週、30まで低下する場面があった。30を下回るか70を上回ると、方向転換を示唆するといわれる。この日は34.9まで上昇した。
  
  CRTキャピタル・グループの政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「短期的に利回りは現在の水準から上昇すると考えている。利回りが低下するには弱い経済指標という形で別の材料が必要になるだろう」と述べた。

  1月は株式相場と原油価格が急落し、インフレと経済成長の見通しが後退。債券の安全性を求める動きとなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、政策金利を据え置いた上で、緩やかなペースで金利を上げていく方針を示した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.95%。同年債(表面利率2.25%、償還2025年11月)価格は8/32安の102 21/32。

  10年債利回りは1.9%前後とされるテクニカルな抵抗線に接近、一時1.91%と昨年10月2日以来の水準まで低下した後、上昇した。

  ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキー氏は「相場は長い間にわたり上昇してきた。今は利益確定の動きだ。日本と米国は経済状況が違い、中央銀行の政策も異なるということが認識され始めている」と語った。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は最近の金融市場の混乱や中国をめぐる不透明感が米国経済にどの程度影響を及ぼすかを判断するのは非常に困難だと述べ、米金融政策当局の今後の行動が明確でないことを示した。これを受け、米国債は下げ渋る場面もあった。

  フィッシャー副議長は1日、ニューヨークで講演。原稿によれば、副議長は「一連の動向が金融状況を根強く引き締めることになった場合、世界的な景気減速が示唆される可能性があり、そうなれば米国の成長やインフレにも影響を及ぼすであろう」と述べたうえで、「しかし、ここ数年間にも同様のボラティリティが見られた期間があり、その時は景気に永続的な爪痕は残さなかった」と続けた。

  金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格指数は昨年12月に前年比で0.6%上昇。エコノミスト予想に一致した。11月は0.4%上昇だった。当局の目標は2%上昇。

  1月の米製造業活動は4カ月連続で縮小した。雇用計画の抑制が進んだ。米供給管理協会(ISM)が1日発表した1月の製造業総合景況指数は48.2。前月は48と、2009年6月以来の最低水準だった。

  ブルームバーグがまとめた金利先物データによると、年内の利上げ確率は62%として織り込まれている。昨年末の時点では93%前後だった。この算出は次の利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな目標レンジの中央になるとの仮定に基づく。FOMC政策決定当局者は昨年12月に今年4回の利上げが実施されるとの見通しを示した。

  5日発表の1月の雇用統計では失業率は2008年以来の低水準にとどまると予想されている。

原題:Treasury Yields Rise From October Lows as Rally Meets Resistance(抜粋)

(第4段落と第6段落以降を追加し、更新します.)
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