昨年日本株的中のパインブリッジ、ゴルディロックス読み今年末2万円

市場関係者による昨年の日本株指数の予想で最も的中したパインブリッジ・インベストメンツの前野達志執行役員は、急落して始まった2016年の相場に対し年央にかけ強気の姿勢を維持、日経平均株価の年末値を2万円とみている。円安を背景に企業業績の増益期待が強く、各国中央銀行の政策でゴルディロックス(適温)経済は続き、市場は安定性を取り戻すとの読みがある。

  前野氏はブルームバーグのインタビューで、日本銀行や欧州中央銀行(ECB)の追加緩和はあっても引き締めはなく、米国の連邦準備制度理事会(FRB)がアグレッシブな利上げを行わない限り、米経済はリセッションには陥らず、世界経済も「熱過ぎず冷め過ぎず、進んでいくだろう」と述べた。

  ことしの日本株は年央にかけて上がり、年末のTOPIXは1600ポイントとのシナリオを描く。同氏の14年12月末時点における15年末のTOPIX予想は1550。実際の年末値は1547で、ブルームバーグが調査対象とした10人中、最も近かった。

  原油価格の長期下落や中国経済の減速からマクロ景気、マネーフローに対する不安感が強まり、世界の株式市場は年始から急落し、日本株もTOPIX、日経平均が1年3カ月ぶりの安値を付けた。1月29日に日本銀行がマイナス金利導入による追加金融緩和策を実施、株価は1月最終日に急伸したが、1月月間のパフォーマンスはTOPIXがマイナス7.5%、日経平均がマイナス8%と世界主要93指数の中で中国やイタリア、ドイツと並び下落率上位に並んだ。

  前野氏は、原油価格について「今のレベルはセリング・クライマックスに近い状況」とし、今後は1バレル=40ドルから50ドルで落ち着いてくると想定する。中国経済については「失速リスクはみていない。市場が今織り込んでいるのは、悪過ぎの状況」と指摘。中国はこれまでに景気刺激策を実施してきており、16年にはその効果が表れ始めるとの認識を示した。

  米経済に関しては、「イエレン議長はアグレッシブに利上げをしないだろう。データを見ながら、失速はうまく回避してくれる」との見方だ。製造業部門を中心に厳しさが見えるものの、個人消費は底堅いと判断。また、ドル・円相場は16年末に1ドル=125円まで進むとし、16年3月末の国内企業の経常増益率は15%、17年3月期も10%弱を見込む。日本の内需については、「直近に実質賃金がマイナスになったが、基本的にはポジティブサイクルにある」と受け止める。

  株式需給面では、昨年の海外投資家は日本株を7年ぶりに売り越した。一方で買い越したのが自社株買いなどを含む事業法人が5年連続、年金基金の動向を反映する信託銀行が2年連続。16年の動向について前野氏は、来期の増益傾向が鮮明になり、「外国人のセンチメントがある程度回復してくれば、買ってくるだろう。下がったところはリバランスで年金が買い、買いが多いところは自社株買い」と予想した。

  ブルームバーグが昨年末にストラテジストや運用担当者らに行った調査では、今年末のTOPIXの予想中央値は1800、日経平均は2万2500円。前野氏は、16年のTOPIXの上昇率予想を11年以来、最も低いプラス3.4%としている。今秋以降は、17年4月の消費税再引き上げによる景気減速も織り込み始めるとし、「夏場に高値を付けるだろう。今はあまりにもセンチメントが悪過ぎる。今が最悪と考えると、これから良くなる」と話している。

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