1日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=121円台前半で推移。前週末に日本銀行によるマイナス金利導入を受けてドル高・円安が進んだ流れを引き継ぎ、ドルの底堅い展開が続いた。

  午後3時55分現在のドル・円相場は121円28銭前後で推移。朝方に121円49銭を付けた後、121円04銭まで軟化したが、ドルの下値は堅く、その後は121円台前半で小幅な値動きが続いた。

  三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、日銀のマイナス金利導入はリスクオフの緩和に役立っているようだし、マイナス金利で円安期待も多少高まるため、目先は「若干円安の動きは見る必要がある」と指摘。もっとも、今のところインフレ期待の押し上げにつながっておらず、すでに低い円金利の低下余地が限られる中、円安効果は「息切れしてくる可能性」があると語った。  

  1日の東京市場では日銀の追加緩和を受けた株高・債券高の流れが継続。日経平均株価は300円を超える上げとなり、債券市場では2年債から20年債までの利回りが過去最低を更新した。

  前週末の海外市場では日銀のマイナス金利導入を好感して欧米株が上昇。リスク選好の動きからドル・円相場は一時121円69銭と昨年12月18日以来の円安値を付けた。

  一方、週明けの中国株は下落。中国国家統計局と中国物流購買連合会がこの日発表した1月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.4と6カ月連続の活動縮小となり、市場予想(49.6)を下回った。その後発表された1月の財新製造業PMI指数は48.4と前月の48.2から改善し、市場予想の48.1を上回った。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、日銀のマイナス金利導入について、「3段階金利の導入による効果については即効性や実効性の面で疑問視する見方も多く、リスクオフの原因となる原油価格や中国景気の動向に戻っていく」と予想。この日は米国でも1月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数の発表があり、「日銀3次元異次元緩和の効果継続は中・米景況感次第」と指摘していた。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想中央値によると、1日発表の1月の米ISM製造業景況指数は48.5と前月の48.0から改善が見込まれている。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「マイナス金利の影響そのものの評価が定まっていないこともあり、円ショートに転じて積み上げるのは、円単体ではまだ難しい」と指摘。その上で、「原油価格の持続的な回復などのリスクセンチメントの改善や、週末の米雇用統計などを受けて米3月利上げ期待が回復すれば、ドル・円は上昇圧力が増すだろう」と語った。

  ユーロ・円相場は前週末に一時1ユーロ=132円32銭と昨年12月29日以来の水準まで円安が進んだが、週明けの取引でも131円台前半から半ばへ円が弱含みに推移。また、欧州中央銀行(ECB)による緩和強化期待からユーロ・ドル相場は前週末に一時1ユーロ=1.0810ドルと4営業日ぶりの水準までユーロ安・ドル高が進んだが、週明けは1.08ドル台前半から半ばでユーロが底堅く推移した。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、ECBの追加緩和期待からユーロは売られる方向で、金融政策の差をみればドルが相対的に強くなる方向だが、「米連邦準備制度理事会(FRB)は、予想ほど利上げペースが速くないという見方から、それほど強いドル高にはならないだろう」と話した。 

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