1日の東京株式相場は連騰。日本銀行のマイナス金利導入を受けた為替市場での円安進行を好感、資金流動性の増加を見込む買いが幅広い業種に入った。電機など輸出関連、不動産やその他金融、鉄鋼株の上げが目立ち、電機では好決算が評価されたソニー村田製作所が急騰。四半期営業増益と自社株買い実施のNTTドコモなど情報・通信株も高い。

  TOPIXの終値は前週末比30.60ポイント(2.1%)高の1462.67、日経平均株価は346円93銭(2%)高の1万7865円23銭。

  T&Dアセットマネジメントの山中清運用統括部長は、「米国が利上げに向かう中で、マイナス金利は金利差拡大で円安方向に振らせる力がある」と指摘。不安心理の増幅で相場は危うい状況にあっただけに、「いざとなれば、中央銀行が政策を打つということを示した点は大きく、日銀は大きな安心材料を与えてくれた」と言う。

  日銀によるマイナス金利政策の導入を受けた前週末の為替市場では、円が主要通貨に対し下落、一時は1ドル=121円69銭と昨年12月18日以来の円安水準を付けた。週明けの東京市場でもおおむね121円台前半で推移、東京株式市場の1月29日終値時点は120円60銭だった。

  29日の米10年債利回りは終値で昨年4月以来の水準に低下し、ドイツやベルギー、フランスの国債利回りも過去最低を記録。きょうの日本の長期金利も、前週末に記録した過去最低の0.09%を下回り、2年から20年の新発債利回りが過去最低となった。世界的に金利が低下している半面、東証1部の配当利回りは1.6%台にある。

第3ラウンド、黒田ラインで下値不安後退

  日本株は「日銀による流動性相場の第3ラウンドが始まった」とみる岡三証券グローバル金融調査部の平川昇二チーフエクイティストラテジストは、「債券のイールドが下がるということは、株のイールドも下がる」と指摘。世界経済の成長力が低く、期待インフレ率が低下する中、「年金など運用者の中で債券から株式へゆっくり資金が流れるだろう」との認識を示す。

  国内では企業決算の発表が本格化し、前週末は400社以上と2015年10-12月決算発表のピーク日だった。10-12月期営業利益が市場予想を大幅に上回ったドコモやソニー、4-12月営業利益が大幅増益だった村田製が急騰。TOPIXの押し上げ寄与度で3社は上位に並んだ。

  大和証券投資戦略部の高橋和宏株式ストラテジストは、今後も日銀がマイナス金利を深めていく可能性があることを考えれば、当面のドル・円相場は「120円台を維持しながら、昨年12月からリスクオフ(回避)になる前の為替水準が考えられる」と予想。決算については、「鉄鋼や市況関連、中国向けの設備投資関連は明らかに下方修正要因になっている。電機はまちまちだが、予想の範囲で悲観的までにはなっていない。内需は比較的堅調」と分析した。

  この日は、中国の国家統計局と物流購買連合会が発表した1月の製造業購買担当者指数(PMI)が49.4と市場予想を下回り、上海総合指数は軟調に推移したが、日本株への影響はほとんど見られなかった。水戸証券投資顧問部の酒井一ファンドマネージャーは、「ここから日本株がどこまで戻るかはまだ疑心暗鬼だが、日経平均1万6000円水準に黒田ラインというものができ、下値不安は払拭(ふっしょく)された」と話している。

  東証1部33業種はその他金融、鉄鋼、通信、不動産、電機、建設、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、食料品など30業種が上昇。マイナス金利導入が収益面で悪影響を及ぼすとみられた銀行をはじめ、空運、海運の3業種は下落。東証1部の売買高は35億248万株、売買代金は3兆8520億円。T&Dアセットの山中氏は、「銘柄入れ替えが行われていることで商いが膨らんでいる」とみていた。値上がり銘柄数は1617、値下がりは286。

  売買代金上位では三井不動産やオリックス、NTT、住友不動産、東京海上ホールディングス、KDDI、味の素、セイコーエプソン、アコムが高く、決算上振れの資生堂、自社株買い好感の新日鉄住金は急伸。半面、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3行、第一生命保険やゆうちょ銀行は下げ、日本航空やJR西日本も安い。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE