英銀HSBCホールディングスは、2017年末までに最大50億ドル(約6060億円)のコスト削減を実現する計画の一環として、今年の雇用と報酬を現状のまま凍結する方針だ。同行の広報担当者が1月31日に確認した。

  雇用と報酬を凍結する方針を説明する内部文書が29日に行員に送られたと、同行のジリアン・ジェームズ氏が電子メールで配布した発表資料で明らかにした。同氏は「投資家向けの最新情報で示した通り、当行は17年末までに大幅なコスト削減の実現を目指している」と説明した。

  HSBCのスチュアート・ガリバー最高経営責任者 (CEO)は、コンプライアンス(法令順守)関連コストが上昇する中で、収益改善のために赤字部門の閉鎖と人員削減によって肥大化したグローバルネットワークを縮小する3カ年計画を昨年6月に公表した。スイス銀行2位のクレディ・スイス・グループドイツ銀行も資本規制の強化に対応するため、数千人規模の人員削減に動いている。

  HSBCの今回の動きについてはロイター通信が先に伝えていた。

  国泰君安証券の曹柱アナリスト(深圳在勤)は雇用と報酬の凍結について、「営業経費を抑制するHSBCの動きに沿ったものだ。HSBCも他のグローバルバンクと同じように、世界的な景気減速と資産の質の悪化の影響を免れることはできない」と指摘した。

  HSBCはブラジル部門の売却に続き、トルコ部門の買い手も探している。事情に詳しい複数の関係者によれば、利益のより期待できる市場に集中する戦略の一環として、レバノン業務の見直しも行っており、同国から撤退する可能性がある。関係者が昨年11月時点で語ったところでは、インドのプライベートバンキング部門についても閉鎖の方向に動いている。

  HSBCは、英国からアジアに本店を移転するかどうかをめぐる最新の状況を2月22日に公表する。大口株主の一角、資産運用会社アバディーン・アセット・マネジメントのマーティン・ギルバートCEOは、1月のブルームバーグとのテレビインタビューで、移転に伴う莫大な物流コストを理由にHSBCは引き続きロンドンにとどまる可能性が高いとの見方を示した。

原題:HSBC to Freeze Hiring, Salaries in 2016 Amid Cost Reductions (2)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE