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1月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円急落、日銀決定で切り下げ競争再開との見方

29日のニューヨーク外国為替市場では円が急落。ドルに対しここ1 年余りで最大の下げとなった。日本銀行が予想外のマイナス金利導入を 決めたことに反応した。市場では、競争的な通貨切り下げが再び起きる との見方が広がっている。

円は主要16通貨全てに対して値下がり。日銀は29日の金融政策決定 会合で、金融機関が保有する日銀の当座預金に0.1%のマイナス金利を 適用することを5対4の賛成多数で決めた。モルガン・スタンレーの調 査リポートによれば、予想外のこの政策決定を受けて同社では、円のト レーディング戦略を差し当たり取りやめた。

今回の日銀の政策決定は円を押し下げただけでなく、為替市場全体 にショックを与えた。また日銀の決定により、通貨の押し下げで恩恵を 受ける国の中央銀行が緩和策を拡大させるとの見方が強まっている。ユ ーロ圏やスイス、スウェーデンの当局は既に、預金金利をマイナスに設 定。また欧州中央銀行(ECB)は、3月に政策を再考する可能性があ ると表明している。

クレディ・アグリコルのG10通貨戦略責任者、バレンティン・マリ ノフ氏は「日銀は思い切った政策を打ち出し、世界の通貨戦争に再び参 加した」と指摘。「ユーロのさらなる上向き調整がユーロの実効為替レ ートを押し上げるため、ECBは3月に再び緩和策の拡大を余儀なくさ れるかもしれない」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比2%安の1ド ル=121円14銭。1日の変化率としては2014年10月以降で最大。対ユー ロでは0.9%下げて1ユーロ=131円21銭。

ECBのドラギ総裁は先週、金融政策姿勢について次回3月の政策 委員会で再検討する考えを示し、緩和拡大の用意があることを示唆し た。

エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ウォーン 氏は「ドラギ総裁と日銀は、経済成長が改善するまで行動を続けるだろ う」と指摘した。

エコノミスト調査では対象42人のうち6人が緩和策の拡大を予想し ていた。シティグループやJPモルガン・チェース、UBSグループの アナリストは今回の会合で追加緩和が決定される確率を30%超と見込ん でいた。マイナス金利の導入を予想していたエコノミストは1人もいな かった。黒田総裁は1月21日の時点では、マイナス金利を具体的に考え ていることはないと述べていた。

日興アセットマネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジス ト、ジョン・ベイル氏は米国も留意する必要があると指摘。ブルームバ ーグテレビジョンのインタビューで同氏は、「行き過ぎた円安は望まし くない。1ドル=115ー120円が許容できるレートだと考えられる」と発 言。その上で、「それよりさらに円安が進んだ場合、米議会はかなり紛 糾するだろうし、政府もいら立ちを抑えられないかもしれない」と述べ た。

原題:BOJ Shock Heralds Currency War Return as Yen Drops Most in Year(抜粋)

◎米国株:大幅続伸、日銀政策やマイクロソフト決算を好感

29日の米株式相場は続伸。マイクロソフトの決算が予想を上回った ことや日本銀行が追加の景気刺激策に踏み切ったことが買いを誘い、約 4カ月ぶりの大幅高となった。1月としては2009年以来で最悪の成績と なった。

この日の株式相場は取引終了前の1時間で上げ幅を拡大。1月は大 幅な反発と反落を毎日のように繰り返したが、堅調なトーンで終えた。 この日はマイクロソフトが3カ月ぶりの大幅高となり、相場全体をけん 引した。S&P500種の10セクターのうち9セクターが1.6%以上の上げ を記録した。一方、アマゾン・ドット・コムは7.6%安。昨年10-12月 (第4四半期)決算では利益がアナリスト予想を下回った。

S&P500種株価指数は前日比2.5%上げて1940.24で終了。昨年9 月8日以来の大幅高となった。1月全体では5.1%下げ、金融危機の渦 中にあった09年以降で最悪の滑り出しとなった。ダウ工業株30種平均は 前日比396.66ドル(2.5%)高い16466.30ドルと、5カ月ぶりの大幅高 で終えた。ナスダック総合指数は2.4%高。

フェデレーテッド・インベスターズの株式市場チーフストラテジス ト、フィル・オーランド氏は「この日の相場が堅調なのは先進国の中央 銀行が緩和的なことが一因だ。その他ではシカゴ購買部協会の製造業景 況指数が予想外に強かったことがある。これまでのところ、企業業績は 予想よりも強い」と述べた。

企業業績のほか、中銀がボラティリティ抑制や世界の成長見通し悪 化に対してどの程度関与するかに注目が集まる中、今週の株式相場は上 げ下げを繰り返した。S&P500種は週間ベースで昨年12月4日以来初 めて2週連続で上昇した。

日銀がこの日、予想外にマイナス金利の導入を発表。欧州中央銀行 (ECB)は先週、3月にも追加緩和を実施する考えを示唆した。米連 邦公開市場委員会(FOMC)は27日、世界経済と市場がどのように米 国の見通しに影響するか注視していると表明した。

この日発表された2015年第4四半期(10-12月)の米実質国内総生 産(GDP)は伸びが減速した。個人消費が抑制され、企業は設備投資 を削減し、在庫調整を進めた。伸び率はほぼ予想通りだった。1月の米 消費者マインド指数は前月から低下。株式相場の下落を受け、消費者の 間で景気や労働市場をめぐる懸念が強まった。シカゴ購買部協会が発表 したシカゴ地区の製造業景況指数は予想以上に上昇し、1年ぶりの高水 準となった。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの米インター ミディアリー・ビジネスで最高投資ストラテジストを務めるマイケル・ アローン氏は「この日発表されたGDP統計での緩やかな経済成長や日 銀の追加緩和を考えると、FOMCが今年4回の利上げを実施する可能 性は低い。日本がマイナス金利に踏み切ったような出来事は米国の金利 に下向きの圧力を加え、FOMCの利上げに対する能力に影響を与え る」と指摘した。

米企業が中国発の軟調な局面をどれほどうまく乗り切っているか見 極める上で、業績にも注目が集まっている。アナリストのS&P500種 構成企業の第4四半期利益見通しは5.6%減と、2週間前の7%減から 減益率がやや縮小した。既に決算を発表した企業のうち80%で利益が予 想を上回り、48%で売上高が予想を上回った。

マイクロソフトの急伸が寄与し、情報技術(IT)株指数は3.6% 上昇し、5カ月ぶりの大幅高となり、S&P500種全10セクターで上昇 率首位となった。素材や金融、工業株も高い。月間では通信サービス が5.5%高でトップ。素材は11%近く下げて最下位となった。

原題:U.S. Stocks Trim January Rout Amid BOJ Action, Microsoft Results(抜粋)

◎米国債:上昇、日銀政策で世界的な債券高に拍車

29日の米国債相場は上昇。日本銀行のマイナス金利導入を受けて世 界の債券市場が値上がりした。世界の債券市場のリターンは今月すで に5670億ドル(約69兆円)となっている。株式や商品の下落に伴いリス クの高い資産からの逃避が進んだことが背景。

米10年債利回りは終値ベースで昨年4月以来の水準に低下。米国債 は月間ベースで1年ぶりの大幅上昇となった。日本国債の利回りは過去 最低を更新。日銀は0.1%のマイナス金利による追加緩和に初めて踏み 切ることを5対4の賛成多数で決めた。ドイツやベルギー、フランスの 国債利回りも過去最低をつけたほか、英国債は続伸した。

債券相場は今年に入り上昇してきた。株式や原油相場が急落した一 方で、比較的安全とされる債券に投資する動きが活発化した。世界の主 要中央銀行が金融緩和政策の継続を示唆して市場の沈静化を図る中、こ うした動きは加速した。米金融当局は今週の会合で政策金利を据え置 き、緩やかなペースで利上げを実施していく方針を示したが、次回利上 げの時期や今後の回数に関する市場の見方は後退している。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券取引 責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は、日銀の行動に より「世界的にみた米国債の魅力は高まる。ただし、これまで魅力的で なかったわけではない」と指摘。「世界的に利回りは低下している。こ れらは米国債市場にとってプラスだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、米10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の1.92%。2年債利回りは月間の下げ幅 が2010年1月以来の最大となった。

独10年債利回りは0.33%に低下し、昨年4月以来の低水準。日本 の10年債利回りは一時0.09%をつけた。同年限の英国債利回りは1.56% と、昨年4月以来の低水準。仏国債利回りは0.64%で、昨年5月以来の 低い水準。

世界の投資適格級の国債と社債で構成するバンク・オブ・アメリ カ・メリルリンチ・グローバル・ブロード・マーケット指数の今月のリ ターンは28日までの時点で1.1%。金額にすると5000億ドルを上回る。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は27日、海外動向を注視してい くと表明。これを受けて、3月の利上げの可能性は低いとの観測が強ま った。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は先週、追加緩和の可能性 を示唆した。

ラボバンク・インターナショナルのストラテジスト、マシュー・ケ アンズ氏(ロンドン在勤)は「利回りはどこまで低下するのかという疑 問は、1本の糸がどのくらい長いのかと問いかけているようなものだ」 と指摘。日銀の利下げは「かなり積極的な動きで、自国のインフレを高 めるために世界の中銀が事実上の利下げ競争にまい進していることが分 かる。利回りは今、一方通行だ」と述べた。

原題:Kuroda Adds to Half-Trillion-Dollar January Global Bond Windfall (抜粋)

◎NY金:小幅反発、月間ベースでは昨年1月以来の大幅上昇

29日のニューヨーク金先物相場は小幅反発。月間ベースでは5.3% 高と、1年ぶりの大幅上昇となった。中国金融市場の混乱や原油価格の 下落、米成長鈍化の兆しを背景に、今月は金などの安全資産に逃避する 動きが強まった。米利上げが見送られるとの見方も金の妙味を高めた。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「金を押し上 げたものは、この先の金利をめぐる不安だ」と指摘。「米経済成長は緩 慢な中、さらなる利上げを示唆するものは何もない。そのため金は上昇 している」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日 比0.1%未満上げて1オンス=1116.40ドル。月間では昨年1月以来の大 幅上昇となった。

銀先物3月限は0.1%高の14.243ドル。

原題:Gold Triumphs Among Metals With Best Monthly Rally in a Year(抜粋)

◎NY原油:週間ベースで2週連続高、減産合意への期待続く

29日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が4日続伸。石油輸出国機構 (OPEC)とロシアが価格押し上げを目的とした減産を協議するとの 観測で週間ベースでもプラスとなり、2週連続高。ロシアのノバク・エ ネルギー相はベネズエラが2月開催を提案した石油輸出国機構 (OPEC)加盟国と非加盟国の協議に、ロシアが参加することを確認 したと話した上で、具体的な日時の設定や確定した会合はないと付け加 えた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「市場 は減産合意への期待を捨ててはいない」と指摘。「景気支援のための追 加緩和が複数の中央銀行から打ち出されるとの観測もある」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日 比40セント(1.20%)高い1バレル=33.62ドルで終了。

原題:Oil Records Second Weekly Gain Amid Output Cut Speculation (抜粋)

◎欧州株:上昇、日銀のマイナス金利導入で楽観広がる

29日の欧州株式相場は上昇し、2008年以降では月間ベースで最悪と なっていた下落率を縮小した。日本銀行のマイナス金利導入で、世界的 に経済成長に対する政策支援が期待できるとの楽観が広がった。

指標のストックス欧州600指数終値は2.2%高の342.27となり、週間 騰落率は1.2%の上昇に転じた。月間ベースでは6.4%下落。米連邦公開 市場委員会(FOMC)は今週、世界の経済・金融情勢を注視する姿勢 を打ち出したばかりだが、この日発表された米国の2015年10-12月期国 内総生産(GDP)は年率0.7%成長に減速した。

マーケット・セキュリティーズ(ロンドン)のチーフ欧州ストラテ ジスト、ステファーヌ・エコロ氏は「日銀から大胆な動きがあるとは期 待していなかったので、市場は今回の決定に沸いている」と指摘。「日 銀が行動したので、次は欧州中央銀行(ECB)が続くだろう」とも語 り、政策当局への期待感を示した。

指数構成銘柄ではイタリアとスペインの銀行株が大幅に上昇し、両 国の指数を押し上げた。スペインのポプラール・エスパニョール銀行 は10-12月期の純金利収入増加が好感され、7%高。サバデル銀行も決 算が予想を上回り、12%高と急騰した。

風力タービンを手掛けるスペインのガメサ・コルポラシオン・テク ノロヒカは19%高と急騰。ドイツのシーメンスが買収を模索していると 伝わり、買いを集めた。

一方、ドイツの鉄鋼大手ティッセンクルップは3.2%安。同社最高 経営責任者(CEO)が欧州鉄鋼業界に「大きなリスク」があるとの見 方を示し、嫌気された。同業のアルセロール・ミタル、フェストアルピ ーネもそれぞれ大きく売られた。

原題:Europe Stocks Rise on BOJ Boost as Wild January Draws to a Close(抜粋)

◎欧州債:軒並み上昇、利回り過去最低-日銀がマイナス金利

日本銀行がマイナス金利導入で市場を驚かせたことを受け、29日は 世界の国債相場が上昇。欧州債も値上がりし、ドイツ5年債の利回りが 初めて欧州中央銀行(ECB)の中銀預金金利のマイナス0.3%を下回 ったほか、ベルギーとフランスの国債利回りも過去最低を更新した。

日銀は同日の金融政策決定会合で、0.1%のマイナス金利による追 加緩和に初めて踏み切ることを5対4の賛成多数で決めた。

ラボバンク・インターナショナルのストラテジスト、マシュー・ケ アンズ氏(ロンドン在勤)は日銀決定について「意表を突かれた。黒田 東彦日銀総裁の市場を驚かせる力に対する信頼を強めた」と指摘。「こ れは相当攻撃的な動きで、自国のインフレを高めるために世界の中銀が 事実上の利下げ競争にまい進していることが分かる。利回りは今、一方 通行だ」と述べた。

5年物ドイツ国債の利回りはロンドン時間午後4時13分現在、5ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下のマイナス0.306%。一 時は過去最低のマイナス0.309%となった。同国債(表面利 率0.25%、2020年10月償還)の価格は0.225上昇し102.64。10年債利回 りは昨年4月以来の低水準の0.33%に低下。2年債利回りは過去最低の マイナス0.49%まで下がった。

イタリアとスペインの10年債も上昇し、ECBが預金金利をマイナ ス0.3%に引き下げた昨年12月3日以来の低水準に達した。同時刻現在 の利回りはイタリア債が1.42%、スペイン債は1.51%。

原題:Bonds Jump Globally as Japan Joins Negative-Rate Club (Correct)(抜粋)

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