2月1週(1-5日)の日本株は続伸しそうだ。日本銀行のマイナス金利政策導入で為替の円高進行に対する懸念がやや後退、生産調整観測を背景に過度の原油安不安も薄れてきた。日米中央銀行の会合通過で目先の不透明要素も消え、決算発表が本格化している国内主要企業の業績堅調、株価の割安さを評価する買いが先行する。

  1月4週の日経平均株価は週間で3.3%高の1万7518円30銭と4週ぶりに反発。海外原油市況の続伸が投資家心理の好転につながり、29日には日銀が金融政策決定会合でマイナス金利の導入を決定、投資家のサプライズを誘いドル・円は1ドル=118円台半ばから一時121円台半ばまで円安が進み、日経平均は500円近く急騰した。

  国内では主要企業の決算発表が本格化している。工作機械用数値制御装置のファナックが中国での需要低迷から今期業績計画を下方修正、株価は急落するなど厳しい光景も一部でみられるが、SMBC日興証券の調べでは28日までに発表を終えたTOPIX銘柄で2016年3月期の経常利益計画を上方修正したのは23社と、下方修正した18社を上回る。第1週も1日に三菱UFJフィナンシャル・グループ、2日に野村ホールディングスや小野薬品工業、3日はパナソニックやデンソー、花王、4日は富士重工業やJT、5日にはトヨタ自動車が公表予定だ。

  UBS証券ウェルス・マネジメント本部の居林通日本株リサーチヘッドは、「日本の企業収益は引き続き拡大する見込みで、最近の株価下落は行き過ぎ」と指摘する。日経平均の予想PERは14.2倍と、過去半年の平均15.1倍を下回っている。このほか、経済指標では米国で1日に1月の供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、5日に雇用統計、中国では1日に製造業購買担当者指数(PMI)の発表が予定される。米雇用統計での非農業部門雇用者数の市場予想は、20万人増。昨年12月は29.2万人増だった。

≪市場関係者の見方≫
●アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之チーフ・インベストメントオフィサー
  日銀の政策決定会合は驚きで株価を支える材料になる。市場には円高懸念があったが、その不安を払拭(ふっしょく)させた。業績は好調だが、円高が懸念と思われている銘柄にはプラス。中国関連企業の収益に懸念はあるが、原油安への不安心理は和らいでいる。ボラティリティの高い状況はまだ続くだろう。

●みずほ投信投資信託顧問の岡本佳久執行役員
  日銀のサプライズは確実に為替に効いてきた。1ドル=120円が定着すれば、来期の企業業績の増益の確度は上がり、現状株価は割安なゾーンに入る。今後は下値を切り上げる展開になってくるだろう。中国への懸念は人民元安がきっかけだが、最近では元安の誘導を行っておらず、ある程度落ち着いてくるだろう。原油も下値固めとなっている。悪材料の為替も安定し、読みやすくなり、上値を試しやすい。

●三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト
  原油安と中国がボラティリティを生んでおり、中国PMIで一段と悪い数値が出れば、ネガティブに反応しやすい。日銀のマイナス金利政策がどれだけショックを吸収できるか、試される。ドル・円で1ドル=120円まで戻し、人民元も対円で落ち着いている。過度に悲観的な業績見通しが出ている中で、安心感にもつながりやすい。日経平均1万7000円台後半へ向かっていくと前向きに捉えている。

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