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日本株は大幅反発、日銀マイナス金利驚き一時500円超高-売買が急増

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29日の東京株式相場は大幅反発。日本銀行がマイナス金利の導入を決め、今後の景気や市場の活性化期待が広がったほか、為替の円安進行も好感された。新政策は投資家の多くに驚きを持って受け止められ、東証1部33業種は不動産や証券、鉱業、輸送用機器株などを中心に32業種が上昇。東証1部の売買高は40億株を超え、昨年8月以来の高水準に膨らんだ。

  TOPIXの終値は前日比39.97ポイント(2.9%)高の1432.07、日経平均株価は476円85銭(2.8%)高の1万7518円30銭。日経平均の高安値幅は871円と、昨年12月18日(886円)以来の大きさとなった。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之チーフ・インベストメントオフィサーは、「円高懸念があった中、それを和らげるような決定だった。業績が好調な企業の株価にはプラスに効いてくる」との見方を示した。今回会合では日銀が動くという雰囲気ではなかったため、「驚き。出尽くしにならないように期待させ、日銀はまた何かするのではないか、と思うようになる」と言う。

  日銀はこの日開いた金融政策決定会合で、0.1%のマイナス金利導入を賛成多数で決定。金融機関が保有する日銀当座預金に0.1%のマイナス金利を適用する。今後必要な場合、さらに金利を引き下げるとした。具体的には、当座預金を3段階の階層構造に分割、それぞれの階層に応じプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用する。マネタリーベースを年間80兆円ペースで増加させる金融調節方針は維持。2%の物価目標の達成時期については、2016年度後半ごろから17年度前半ごろに後ずれさせた。

  きょうの日本株は日銀の判断を待とうと様子見姿勢の強い中、上昇して開始。ファナックなど業績下方修正銘柄が大きく売り込まれたことで午前は安く終えたが、マイナス金利政策の導入を受けた午後の取引で日経平均は一時500円以上上昇と急展開した。ドル・円相場は午後に一時1ドル=121円40銭台と昨年12月21日以来のドル高・円安水準に振れた。

597円高から274円安、驚きと慎重で午後乱高下

  午後の日経平均は一時597円高まであった後、一転274円安と急落する場面もみられ、市場関係者の間でマイナス金利に対し期待と不安が交錯していることをうかがわせた。しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジストは、「イールドカーブ全体が一段と低下すれば、金利面から景気をサポートし、円安を促すことになる。それが資産効果や企業業績を通じて株価の支えとなる」と評価。一方で、マイナス金利導入は初めてのため、その効果を確認していくことも必要」とした。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は「日銀にこれ以上求めてもだめで、結果的には日銀政策の限界性を象徴したことになると思う。これまではETF購入など直接の需要があったが、メリットは迂遠のルートをたどらないと出にくい」とみている。

  東証1部33業種は不動産や証券・商品取引先物、鉱業、その他金融、建設、食料品、ゴム製品、輸送用機器など32業種が上昇。銀行1業種のみ下落。金利の引き下げは「資金需要のある不動産にはプラスに働く。銀行では日銀当座預金に預けていた付利の部分は収益源だったが、今後はそれが期待できなくなる」と藤戸氏は話した。東証1部の売買高は41億2505万株、売買代金は4兆4318億円で、ともに昨年8月25日以来の多さ。上昇銘柄数は1721、下落は186。

  売買代金上位ではトヨタ自動車、富士重工業、ソニー、三菱地所、三井不動産、住友不動産、JT、オリックス、野村ホールディングス、任天堂、オリエンタルランドなどが上昇。半面、今期利益計画の下方修正と野村、マッコーリー証券による投資判断引き下げがあったファナックは急落。三菱UFJフィナンシャル・グループ、キーエンス、第一生命保険は安い。

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