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円急落、日銀マイナス金利導入で売り強まる-対ドルで一時121円台

更新日時
  • 一時121円42銭と昨年12月21日以来の水準まで円安が進行
  • 市場の裏かく手法3度さく裂、バズーカと言っていい-三菱モルガン

29日の東京外国為替市場では円が急落。日本銀行が予想外のマイナス金利の導入に踏み切ったことを受けて円売りが強まり、対ドルでは一時昨年12月以来となる1ドル=121円台に突入した。

  午後4時55分現在のドル・円相場は1ドル=120円56銭前後。日銀の政策発表前は118円台半ばで推移していたが、マイナス金利の導入発表後には一時121円42銭と12月21日以来の水準まで円安が進んだ。その後119円台前半まで戻す場面も見られたが、午後3時半の黒田東彦総裁の会見に向けては再び120円台後半まで円が売られた。

  日銀は29日の金融政策決定会合で、日銀当座預金の付利に0.1%のマイナス金利を適用することを賛成5人、反対4人の賛成多数で決めた。ブルームバーグが22日-27日に行った調査では、エコノミスト42人のうち、今回の会合で追加緩和を予想したのは6人(14%)だった。 
 
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「もともと黒田総裁は付利はいじらないと言ってたし、マイナス金利はやらないという専門家が多かったのにもかかわらずやってきたということで、マーケットの裏をかく手法が3度さく裂という感じだ」と指摘。「これはバズーカと言っていい」と話した。

  マイナス金利導入の発表を受け、債券市場では長期金利が過去最低を更新。一方、東京株式相場はマイナスに転じる場面も見られたが、大幅高で取引を終えた。円は主要31通貨全てに対して前日終値比で下落している。

  日銀は今回の会合でマネタリーベースが年約80兆円に相当するペースで増えるよう金融市場調節を行う方針を据え置き、長期国債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)の買い入れ方針も維持した。これまで「2016年度後半ごろ」としていた2%物価目標の達成時期は「2017年度前半ごろ」に後ずれさせた。

  黒田東彦総裁は会合後の会見で、マイナス金利は量的・質的緩和の限界を示すものでなく、量、質、金利の3つの次元でさらに緩和を進めることできると述べた。

  みずほ証券の金岡直一FXストラテジストは、量的な部分を温存したことで、4月に向けて追加緩和の思惑が残るとし、「日銀のロケットブースターで、115円までの円高警戒感は薄れた」と語った。

  一方、しんきんアセットマネジメントの加藤純ポートフォリオマネージャーは、マイナス幅の拡大に限界がある以上、「円高リスクの軽減にはなっても、ドル・円を押し上げる力にはなりづらい」と指摘。「少なくとも需給面での円高圧力が以前よりも強まっている中で、米景気や中国の不透明感、原油価格のリスクが残っており、時がたてばたつほどドル・円の上値は重くだろう」と話した。  

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