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石原伸晃氏:12年総裁選で安倍首相のライバル、若手時代から交流

更新日時
  • そしてアベノミクスをしっかり完遂するために頑張りたいと石原氏
  • 経財諮問会議の閣僚ポストは初、アベノミクスの方向性不透明の声も

経済再生相に就任した自民党の石原伸晃元幹事長は若手議員時代から安倍晋三首相と交流があったが、2012年9月の党総裁選ではライバルとして争った関係だ。国土交通相など閣僚や党幹部の経験や知名度もあるが、エコノミストの間からは経済政策や通商交渉の担当閣僚としての実力は未知数との見方も出ている。

  安倍首相は28日、官邸で記者団に対し、石原氏について「政策通であり、そしてまた小泉政権時代、行政改革担当大臣として突破力を示した」と述べた。今後の政権運営で改革推進や成長戦略の実行に「石原大臣と共に全力を尽くしていきたい」と語った。

  石原氏は29日午前の閣議後会見で、「経済の好循環の流れをしっかりと、これまで以上に多くの人が実感する経済を作るために、そしてアベノミクスをしっかり完遂するために頑張りたい」と語った。

  石原氏は当選3回議員だった1998年当時、金融機関の不良債権処理などの法整備が焦点となったいわゆる金融国会で、党金融再生トータルプラン推進特別調査会事務局長を務めており、与野党協議に関与。税制調査会の非公式幹部会(インナー)のメンバーとして税制改正の党内論議に関わった経験もあるが、マクロ経済政策の司令塔である経済財政諮問会議構成する閣僚への就任は初めてとなる。

相場変調

  SMBC日興証券(株式調査部)の牧野潤一チーフエコノミストは、環太平洋連携協定(TPP)や経済政策の見識や交渉力を持っているかよく分からないと述べた上で、「政策の継続性やアベノミクスの方向性という点において不透明だ」と語った。

  菅義偉官房長官は29日午前の閣議後会見で、甘利氏から党税調メンバーだった石原氏への交代が経済政策に影響するかどうか問われ、「そこはない」と述べた。

  12年12月の第2次安倍内閣発足以降、TOPIXは終値で昨年8月10日に1691.29まで上昇、ドル・円相場は1ドル=84円台から一時は1ドル=125円台まで円安が進行した。年明けは中国経済の減速や原油安などを背景に株安、円高傾向にあり、TOPIXは1月21日に1301.49まで下落、一時1ドル=115円台をつけた。29日の日本銀行によるマイナス金利導入決定を受け、株価、ドル・円相場ともに乱高下している。

第2次安倍政権発足以降の株価

総裁選

  石原氏は1957年4月生まれの58歳。石原慎太郎元東京都知事の長男で、日本テレビ記者を経て1990年の衆院選で初当選。行政改革担当相、党政調会長などの要職を歴任した。党幹事長として臨んだ12年9月の総裁選では1回目の投票で石破茂地方創生相、安倍首相らに敗退した。

  安倍首相とは若手議員時代の1990年代後半、塩崎恭久厚生労働相、根本匠元復興相と4人でNAISグループをつくり、年金改革などの提言をまとめるなどの交流も早くからあった。第1次安倍政権でも党幹事長代理、党政調会長に起用され、首相を支えた。

  前任の甘利氏は他の政権幹部である麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官とは12年の総裁選で共に安倍首相の再選に尽力するなどの盟友関係で結ばれていた。甘利氏は自民党内で山崎拓元副総裁が率いていた派閥「近未来政治研究会」の結成時からのメンバーだったが、山崎氏は後任を途中入会組の石原氏に継承させたという因縁もある。甘利氏は同会を既に脱退している。

  東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、石原氏について「お金の面ではクリーンなイメージ」で、甘利氏に比べると「腕力に欠ける印象だ」と述べた上で、周囲のアドバイスも聞きながら「積極的に改革を進めていってほしい」と述べた。

(第3、6、7段落を追加します.)
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