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バークレイズのバンカーがスーツ脱ぎ捨てブートキャンプ-IT漬けに

  • バークレイズは2013年に新興企業のアクセラレータープログラム開始
  • 今年は11社が選ばれ、投資銀マネジャーのブレーン氏のチームも参加

英銀バークレイズは先週、同行のフィンテック・ブートキャンプ参加が決まった11のベンチャーグループを公表した。フィンテックは金融サービスと情報技術(IT)の融合を意味する。

  音楽オーディション番組のビジネス版のように、選ばれた11のグループがプレゼンテーションをすると拍手喝采が起こる。スマートフォンのアプリを使って1分もかからずに自動車保険を提供する新興企業や、ウエアラブル端末で支払いをできるようにさせる企業などだ。ちょっと場違いに見えたのは、濃色の縦縞スーツを着こなした男性が率いるグループだったろう。

  この男性はバークレイズの投資銀行部門のシニアマネジャー、リー・ブレーン氏(48)。仮想通貨ビットコインの基になる技術であるブロックチェーンの証券取引への活用に取り組んでいる。同氏とチームは今週からロンドンの金融街カナリーワーフにあるバークレイズの本社を離れ、移民の多いホワイトチャペル地区にあるエドワード朝時代の建物で他の新興起業家らとともに13週間を過ごす。

  「技術については期待されて相当騒がれてはいるが、われわれの目標はそこにとどまらず、資本市場で実際のビジネスに応用させることが目的だ。そのためにはオープンでなければならない。必要なのは共創だ。このキャンプの目的はそれだ」と話すブレーン氏の周りでは、IT技術に詳しい仲間たちがビールを開けピザをつまんでいる。

  フィンテックの重要性は極めて高い。オンライン融資は年151%のペースで増え、決済機能を持つアップルペイやフェイスブック・メッセンジャーのようなアプリが次々に誕生。ブロックチェーン技術は金融の新たなインフラになるとも一部で考えられている。規制強化と低金利で収益力の落ちている金融業界はここに活路を見いださざるを得ない。

  少し前まで金融機関は自前の研究開発にこだわり、技術を公開せずに独自システムを構築していた。しかし今ではシティグループやUBSグループ、ウェルズ・ファーゴなど二十数行の大手銀がベンチャー支援や競争促進のイベントを開いて新興企業を呼び込もうとしている。アクセンチュアのマネジングディレクター、ジュリアン・スカン氏は「競争から協業へとシナリオが変わった」とし、「フィンテック新興企業の多くは銀行からウィジェット(小アプリ)のように使われるだろう」と話した。

  バークレイズは2013年にテックスターズ社と提携し、ベンチャー育成プログラムを開始した。ここでチャンスが与えられる新興企業はあらゆる領域にまたがっている。プログラムを運営するテックスターズのマネジングディレクター、クリス・アデルスバック氏は、ブレーン氏のチームの参加は新機軸だと指摘。「雰囲気を感じ取りネットワークを利用し、大きな成果を達成させようとするだろう」と話した。

原題:This Barclays Banker Swapped Pinstripes for Home-Grown Start-Up(抜粋)

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