コンテンツにスキップする

FOMC:政策金利を据え置き、世界の動向を注視する姿勢を表明

更新日時
  • 年末にかけて「景気減速」、市場に基づくインフレ指標は一段と低下
  • 世界的な市場の混乱を受けて「リスク均衡」を声明から削除

米連邦公開市場委員会(FOMC)は26、27両日に開催した定例会合後の声明で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを0.25-0.5%で据え置くことを決めたと発表した。「緩やかな」ペースで政策金利を引き上げるとの見通しを維持する一方、世界経済や市場動向がどのように米国の見通しに影響するかを注視していく方針も示した。

  FOMCは声明で「世界の経済・金融情勢を注視しているほか、そうした情勢 が労働市場やインフレ、また見通しのリスクバランスに対してどのよう に影響するか精査している」と指摘。前回12月の声明にあった「リスクは均衡している」との文言を削除した。

  FOMCが先月ほぼ10年ぶりに利上げに踏み切って以来、金融市場の混乱と世界経済の見通し悪化により、今後の利上げペースは一段と緩やかになるとの見通しが強まっている。12月にFOMC政策当局者が示した予測によると、予想中央値で今年は0.25ポイントの利上げが4回見込まれている。一方、FOMC声明が発表される前に金利先物市場が示した利上げ確率によると、今年の利上げはわずか1回あるいは2回として織り込まれている。

  米金融当局でエコノミストを務めた経歴を持つ米ジョンズ・ホプキンス大学のジョナサン・ライト教授は「3月の追加利上げを予想している委員会からの声明とは思えない内容だ。今年4回の利上げは不可能ではないが、可能性は低く、賢明だとも思わない」と述べた。

  世界経済・金融情勢に関する箇所がリスクは均衡が取れているとの見解を再び示すのでなく、変化したことについて、ライト教授は「リスクは下振れの方に傾いていることを暗に意味している」と解釈した。

  イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長率いるFOMCは全会一致で決定した金利据え置きについて、最近入手した情報では「経済成長は昨年末にかけて減速したものの、労働市場の状況は一層改善したことが示唆された」と説明した。

  金利見通しについては「経済情勢はもっぱらFF金利の緩やかな引き上げに限って正当化する形で改善される」との前回声明を踏襲した。

  家計支出と企業の設備投資については「ここ数カ月、緩やかなペース」で増加していると指摘した。12月の声明では「着実なペース」と表現されていた。

  FOMCはインフレ率が中期的に2%に戻るとの予想を維持しながらも、インフレ率は「エネルギー価格の一段の低下もあり短期的には低い状態が続くと見込まれる」と言及した。

  インフレ期待を示す市場ベースの指標については「一段と低下した」とし、調査ベースの指標は最近数カ月「ほぼ横ばいになっている」と指摘した。

  イエレン議長は今回、記者会見を行わず、下院金融サービス委員会で半期に1度の金融政策報告を提出する2月10日まで公の場で発言する予定もない。

  12月15-16日の会合以降、労働市場は利上げを後押しする格好で改善している。12月の雇用者数は29万2000人増加し、2015年通年では265万人増えた。賃金も加速の兆候を示し、インフレ率が年内に2%の目標に近づくとの当局の期待を高める良いニュースとなった。

  一方、世界の株式相場は年初から8%安と、過去最悪の滑り出しとなった。中国の景気減速に驚かされたほか、昨年12月に決定された米国のゼロ金利政策解除への反応が遅れて表面化した可能性もある。

  金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格指数は昨年11月に前年比で0.4%上昇。変動の大きい食品と燃料を除くコアベースでは1.3%上昇した。

  民間エコノミストの間では中国からの米経済への直接的な影響は限定的で、原油安はいずれ景気刺激効果をもたらすとの声が多いが、追加利上げの観測は後退している。

  FF金利先物市場の動向によれば、3月の利上げ確率は1月21日に最低で22%まで低下。昨年12月30日には最高で53%あった。

  FOMCで輪番による議決権を有する地区連銀総裁は毎年1月に交代する。今年議決権を得たのはセントルイス連銀のブラード総裁、ボストン連銀のローゼングレン総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、カンザスシティー連銀のジョー ジ総裁。2015年はサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、シカゴ連銀のエバンス総裁、リッチモンド連銀のラッカー総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁が保有していた。

  正副議長を含むFRB理事とニューヨーク連銀総裁は恒久的に議決権を有する。

  FOMCはこの日、長期物価目標に関する2012年の声明の変更を決定した。新たな文言は「2%の目標を継続的に上回るかあるいは下回った場合、懸念材料になる」としている。

  ブラード総裁は声明の文言が「インフレ率が将来、目標から乖離(かいり)すると予想されることに対し、配慮が足りない」として、この変更の承認に反対した。

原題:Fed Closely Watching Developments; Rate Path Still ‘Gradual’ (2)(抜粋)

(第12段落以降を追加し、更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE