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株式の政策保有を継続、配当収入や取引強化に魅力-京都銀頭取

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  • 京セラ、任天堂、日本電産など保有「創業期から支援してきた結果」
  • 配当利回りは3.4%、保有先で住宅ローンの職域営業などの機会も

京都銀行の土井伸宏頭取はブルームバーグとのインタビューで取引先の事業会社との持ち合い株(政策保有株)を売却しない方針を明らかにした。政府は企業統治(コーポレートガバナンス)強化の観点から売却を促しているが、配当収入の利益寄与や取引強化につながるメリットは大きいと述べた。

  土井頭取(59)は京セラ任天堂日本電産などの政策保有株について「創業当初からベンチャーとして投融資で支援してきた結果で、一般的な安定株主としての持ち合いは少ない」と指摘。「同じ京都の会社同士でトップとはすぐに会えるし、お互いに言いたいことは言う」とガバナンス面でも有効との認識を示した。

  安倍晋三政権は株主と企業との対話によるガバナンス強化策を打ち出し、東京証券取引所は昨年6月に企業統治指針を導入して持ち合う場合はその理由を開示するよう義務付けた。こうした中、三菱UFJなどメガバンクは目標を掲げて政策保有株の売却を進めているが、京都銀は政策保有のメリットを重視する姿勢を鮮明にした。

  土井頭取は、取引先などの株式保有は「低金利下で配当が大きな収益源になっている」と述べた。同行の15年3月末決算資料によれば、株式配当利回りは3.39%で貸出金利回り1.23%を上回った。その上で「保有株を売ってそれ以上の収益を得られる運用先もない」と語った。長期国債金利は21日に0.190%と過去最低を記録した。

  ただ、投資家から集めた資金でどれだけ利益を稼いだかを示す株主資本利益率(ROE)は、ブルームバーグのデータによるとTOPIX銀行株指数の採用銘柄平均の6.37%に対し、京都銀は3.54%だった。

  京都銀の15年3月末の有価証券運用残高(簿価)は2兆6836億円で、うち株式は1795億円。時価に基づく評価益(含み益)の合計は4815億円で、うち株式が大半の4248億円を占める。土井頭取によれば、株式含み益がゼロになるのは「日経平均株価で5000円の水準」という。

京都銀の保有銘柄がTOPIXをアウトパフォーム

  土井頭取は、企業の株を保有するもう一つのメリットとして「取引先の従業員の住宅ローンなど個人取引がある」などと述べた。大株主の金融機関として企業内で職域セールスを呼び掛けてもらえるなど、取引先の株を「保有する意義がある」と指摘した。

  ブルームバーグのデータによると、京都銀は京セラ株を1443万株(発行済み株式の3.82%)、任天堂株を588万株(4.15%)、日本電産株を1239万株(4.16%)を保有している。

  クレディ・スイス証券の三浦毅司アナリストは、京都銀の株式保有について「有価証券運用の手段が本当に限られている中で 、コストが安く利回りの高い株をここまで積み上げてきた実績はプラス」と評価。一方で、保有先企業の株価変動が同行の業績や財務に影響を及ばしやすい点を指摘した。

(最終段落に専門家の見方を追加します.)
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