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円全面高、原油・株価反落でリスク回避圧力-日米金融政策を見極め

更新日時
  • ドル・円は一時117円77銭、2営業日ぶりの円高値
  • 中東諸国の資産売り連想で株安・リスクオフになりやすい-みずほ証

東京外国為替市場では円が主要16通貨に対して全面高。原油相場や株式相場の下落を受けて、リスク回避に伴う円買い圧力が掛かった。

  26日午後3時56分現在のドル・円相場は1ドル=117円81銭付近。118円台前半でもみ合った後、午後に入り118円台を割り込み、一時117円77銭と2営業日ぶりの円高値を付けた。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「原油相場は最安値をいつでも割り込めるところで推移しており、崩れるとまた先が見えなくなる」と言い、「中東諸国の資産売りが連想され、株安、リスクオフという流れになりやすい」と説明。ドル・円相場は20日移動平均線が位置する118円30銭付近を割り込んで、転換線の117円40銭近辺が下値のめどとして意識されると言う。

ドル・円の一目均衡表

  世界最大の石油輸出国、サウジアラビアは原油安にもかかわらずエネルギープロジェクトへの投資は継続すると表明。25日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が急反落した。原油が水準を切り下げるのに連れ、米株式相場は主要3株価指数がそろって下落した。WTI先物はアジア時間26日の時間外取引で、1バレル=29ドル台半ばまで下落している。

  三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、「サウジアラビアが投資継続を表明したことを受けて、減産の意思がないと受け止められた」とし、原油安を背景にした欧米の株価下落がドル安・円高につながったと説明。悪い材料はある程度織り込んでいるとした上で、「株価急落はないが、じわっと下がる感じ」と言い、「ドル・円も基本的に上値は重い」とみる。

  この日の東京株式相場は日経平均株価が大幅反落。前日比402円安の1万6708円で引けた。中国株式相場も反落し、上海総合指数は午後の取引で6%超まで下げ幅を拡大した。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、米株安・原油安、米金利低下とリスクオフになったほか、日経平均株価が下落したことを受けて、ドル売り・円買いが優勢になっていると説明。「日米の金融政策発表を前にしたドルの買い控えも、ドル・円を下押す要因となっている」と言う。

日米金融政策見極め

  26日の米国時間には連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の日程で始まる。28、29日には日本銀行が金融政策決定会合を開く。

  みずほ証の鈴木氏は、FOMCでは、「世界経済に対する注視の度合いを強めるような発言があるかどうかが、追加利上げのヒントとして焦点になっている」と指摘。日銀会合については、「118円台であれば、緩和見送りでも波乱はないが、株安・円高が進んでいるタイミングで見送られれば、ドル・円は115円、日経平均は1万5000円トライになってくる可能性がある」とみる。

  産業競争力会議の民間議員を務める竹中平蔵慶応大学教授(元経済財政担当相)は、今週の日銀会合で、追加緩和を「やる必要はない」と述べ、参院選前に2016年度の補正予算とセットのタイミングで行うのが理想的だとの考えを明らかにした。25日、ブルームバーグのインタビューで語った。

  UBS証券の井川雄亮デスクストラテジストは、「竹中氏の今は追加緩和は不要との発言が報じられたことで円高・株安に振れ、債券市場でもある程度は緩和期待があったのか上昇幅を縮小している」と指摘。「竹中氏は消費増税の再延期にも言及しているが、タイミング的にインパクトがあったのは追加緩和の部分だろう」と語った。

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